アメリカの製造業や鉱業の強さを示す数字で、FRBが発表している鉱工業生産指数というものがあります。
この数字が注目される理由は、GDPと相関があると言われていることです。個人的には、アメリカは製造業の国ではなく、サービス業の国だと思っているので、話半分程度に来ているとのですが、多くの人が注目しているので、私も毎月チェックしています。
3ヶ月に1度しか発表されないGDPと違って、鉱工業生産指数は毎月に発表があるので、GDPと関連があるなら目安の指標として見ておいて損はなさそうです。
さて、11月15日に10月のアメリカの鉱工業生産指数は発表されましたが、結果はボロボロでした。最近のアメリカの指標としては、珍しく予想より悪化して、前月よりも低迷しています。
- 予想:前月比マイナス0.4%
- 結果:予想を下回るマイナス0.8%(前回のマイナス0.4%も下回る)
この指数の見方はとてもシンプルで、マイナスなら景気悪化、プラスなら景気拡大と見ます。
今月のマイナス0.8%は近年あまり例を見ないマイナス幅です。16年4月以来の3年半ぶりの低迷になります。
大きく落ち込んだ原因は米中貿易戦争の影響とGMストライキ
予想を超えたマイナスに落ち込んだのは、貿易戦争と自動車メーカー大手GMの工場のストライキの影響もあるようです。
先月もGMのストライキの影響があったと記憶していますが、既にGMは労使協定を結んだとの情報が入ってきたので、来月以降はある程度 回復する可能性があります。また、今月何かしらの米中合意があれば、さらにこの鉱業生産指数はプラスに働くはずです。
今月の鉱工業生産指数はかなり悲観的な内容になりましたが、好材料も見えつつあるので、来月以降持ち直すのかどうかに注目したいと思います。
唯一冴えなかった鉱工業生産指数
このブログでは、10月のアメリカ経済指標を数多くおっていますが、概ね前月よりも数字が改善しているものが多い印象がありました。今回は発表された鉱工業生産指数はその中でも、主要な経済指標では唯一と言ってもいいほど、前月よりも悪化し、予想も下回った指標になりました。
10月米経済指標 | 予想以上 | 予想未満 |
---|---|---|
前回以上 | ADP雇用統計 ISM非製造業 コア消費者物価指数 コア生産者物価指数 |
ISM製造業 ミシガン大学消費者信頼感 コア小売売上高 |
前回未満 | 雇用統計(非農業雇用者) | 鉱工業生産 |