グーグルがヘルスケアウェアラブル機器のFitbit(フィットビット)に買収提案をしているようです。公式の情報ではないのですが、事情に詳しい人物から情報を得たとしてロイターが報道しています。
Fitbitは日本だとあまり知らない人も多いかと思いますが、腕輪や腕時計の形をして歩数や心拍などを計測する健康管理グッズです。
写真を見た方がわかると思います。こんな製品です。
2013年に日本に上陸したときには、細い腕輪のような製品が多かったのですが、最近では大きなスクリーンをまとってスマートウォッチとして機能したり、アマゾンの人工知能のAlexaを搭載するなど多機能化しています。
収集した健康データは下の写真のようにスマホアプリで確認できるようになっています。「見た目もおしゃれで、実際にやってみると思った以上に楽しい」と、実際にやっている友人から聞いています。
Fitbit買収の狙いはGoogleのAIファースト戦略
さて、この買収はグーグルとしてはありだと思います。
最近のグーグルは検索エンジンやOSを作るソフトウェア会社としてだけでなく、スマートフォン、スマートスピーカーなどハードウェア機器にも力を入れています。「身の回りのあらゆるモノをネットとAIでつないでいく世界」の実現に向けて動いているグーグルの方向性に沿った買収に見えます。
近年のグーグルは2016年から大きな方向転換をしていて、「グーグルはモバイルファーストからAIファーストの世界へ移る」、「スマートフォン、ウェアラブル(時計など)、自動車、ホームの4分野でAIを使って賢くしていく」とピチャイCEOが宣言しました。
グーグルが注力していく1つ分野のウェアラブルは、Apple Watchが圧倒的に強い市場になっているので、一気に攻勢をしかけるなら既に何年もウェアラブルデバイスを作っているFitbitの買収は理にかなっています。
グーグル独自のスマートウォッチに向けた布石か
ちなみに、グーグルには長らく噂されている製品があります。グーグルが独自につくるスマートウォッチのPixel Watchです。
2019年10月のグーグルハードウェア新製品発表会「Made By Google」で発表がされるかと噂されていたのですが、結局Pixel Watchの発売はありませんでした。
Googleのハードウェア戦略は順調に進行中。Made by Google 2019の新商品を一気に振り返り。
あまり日本では知名度が高くないのですが、グーグルは既にスマートウォッチ用のOSを提供していて、各社色んなスマートウォッチに搭載されています。
スマートフォンのAndroid OSを作って、それから数年してグーグルオリジナルのスマートフォンPixelを販売したように、スマートウォッチもwearOSをまず作り、それからスマートウオッチPixel Watchが発売されるのではと長らく噂されてきました。
グーグルが提供するwearOSは既に完成度はかなり高くなっています。Googleアシスタントを搭載している他、時計でスケジュール確認、Google Payでの支払い、電話、歩数や心拍測定などができます。公式サイトを見るとかなり有名なブランドもwearOSを搭載して、販売しています。
こちらの画像はいずれもwearOSを搭載したスマートウォッチですが、左からルイヴィトン、モンブラン、タグ・ホイヤーと有名なハイブランドもグーグルのOSを使っています。
wearOSも成熟してきたので、そろそろウェアラブルの領域でAIを使ったグーグル製品の開発に軸足を移したいと思っているなら、Fitbitの買収はありだと思います。
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Googleを知らない人はいないと思います。しかし、Googleが今何に取り組んでいるかの動向を把握できている人はそう多くないはずです。「Googleのビジネス動向」と「近年の株価と業積の変化」の両面を見つつ、Googleと親会社アルファベットの今を追いかけます。