少し前のことになりますが、ペプシコの2019年3Q(第3四半期)決算発表がありました。結果は、事前の予想を超える良い内容でした。コカコーラもそうですが、ペプシコも近年続いていた売上減少の傾向に歯止めがかかっている印象があります。
- 一株利益:$1.50の事前予想を上回る$1.56
- 収益:169.3億ドルの事前予想を上回る171.9億ドル(前年比4.3%増加)
ペプシコは世界展開していますが、売上の60%が北米なので、北米の消費が強い年では売上が伸びやすいのかもしれません。2019年は低い失業率に加えて賃金上昇の効果もあって個人消費が堅調なので、その恩恵を少なからず受けている気もします。
買収製品の売上を含まないオーガニックセールスでも+4.3%の成長を遂げていて、通年でも目標の+4%を達成する見込みだとCEOが力強く宣言しています。
Given our performance year-to-date, we now expect to meet or exceed our full-year organic revenue growth target of 4% (Ramon Laguarta, CEO)
“年初来の業績を考えると、通年のオーガニック・セールス成長目標の4%を達成するか、それを上回ると予想しています。”
北米のスナック菓子とゼロカロリー製品が好調
部門別に好調の要因を探っていくと北米でのスナック菓子部門「Frito-Lay」が+5.5%と順調に伸びていて、いい感じです。
日本だとペプシコというと飲料メーカーのような印象がありますが、ドリトスなどのスナック菓子も販売する「Frito-Lay」や、朝食に食べるシリアル「Quaker Foods」なども手掛けているので、ペプシコと言っても実際は飲料メーカーではなく、軽食メーカーと言った感じです。
部門別売上(100万ドル) | 3Q2019 | 3Q2018 | 前年比 |
---|---|---|---|
北米 PepsiCo飲料 | 5,643 | 5,456 | +3.4% |
北米 Frito-Lay(スナック菓子) | 4,105 | 3,891 | +5.5% |
北米 Quaker Foods(シリアル) | 576 | 567 | +1.6% |
ラテンアメリカ | 1,904 | 1,868 | +1.9% |
ヨーロッパ・アフリカ南部 | 3,347 | 3,161 | +5.9% |
アジア・中東・アフリカ北部 | 1,613 | 1,542 | +4.6% |
一番の稼ぎ頭である、北米のペプシコの飲料部門は、2018年5月に発売されたブランドの無糖製品ゲータレードゼロが好調で、小売売上高で5億ドルを超えたようです。
コカコーラでも見られた現象ですが、北米は健康志向の高まりからゼロカロリー製品の売上が好調です。
また、ペプシコが次の10億ドルのブランドの1つになると予想しているBublyは、風味のあるスパークリングウォーターで市場シェアを獲得し続けているといいます。日本でも数年前から、風味のある水が売られていますが、北米でも認知度を広めているようです。
ちなみにコカコーラとペプシコどっちがいいの?
最後に、よく言われる結論のでない比較の話をしておきたいと思ます。株を買うならコカコーラとペプシコどちらがいいのか、という話です。
これは正直どちらでも良いと思っています。以下は1986年から2019年9月までのペプシコ(青)とコカコーラ(赤)のリターンの比較ですが、全く遜色ないです。わずかに青のペプシコがリターンで勝っていますが、数カ月後に逆転していてもおかしくないわずかな差です。
どちらも安定して利益を出すことができる優良企業なので、長期的に安心して投資できる会社です。安定したリターンが欲しい人にも、成長企業の株を既に保有しているけど安定した株も追加で購入してポートフォリオ全体の価格変動を抑えたい場合にも、使い勝手のいい銘柄だと思います。