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Amazon Goを他社に展開する戦略の凄さ。

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Amazon Goを他社に導入へ

Amazonは、2020年第1四半期からレジなし店舗のAmazon Goの仕組みを他社に販売する検討をしているようです。

Amazon is in talks to bring its cashierless Go technology to airports and movie theaters(CNBC)

Amazon Goは商品を棚から取ったら、そのままでレジを通すことなく、お店を出るだけで会計ができる店舗です。なんだか、ピンと来ない人も多いかもしれませんので、Amazon Goのプロモーション動画をこちらに貼っておきます。

仕組みとしては、ユーザが入店するときにAmazon Goのアプリを使って本人確認をして、その後は買い物しているときには天井や棚に張り巡らされたカメラがどんな商品をいくつ手にとったかを認識。お店を出るタイミングで手にとった商品を確定させ、アプリで事前登録しておいた決済方法で決済をすませるというものです。

このAmazon Goはレジに並ぶことなく、ユーザが快適に買い物をできるだけでなく、導入するお店側にとってもレジの効率化(人件費の削減、顧客回転率向上)や、リアルタイムの在庫管理や発注の効率化でメリットがあります。

関係者の話では、2020年の第1四半期には店舗向けにAmazon Goに関連するシステムの提供を開始し、2020年末までに数百の店舗を稼働させる計画があると言います。また、店舗へのAmazon Goシステムの導入は2週間で完了することを目指していると言います。

Amazon Go他社展開のメリット

さて、前の章でさらっとAmazon Goを導入するメリットについて触れましたが、Amazon Goの仕組みを他社に展開することで、一番大きなメリットを受けるのは、Amazon自身だと思います。

この戦術は、とても面白く、とても創造的です。AmazonにとってのAamzon Go他社販売のメリットをまとめておきます。

  • 高速かつ低コスト:Amazonが独自に店舗を拡大していくよりも、高速かつ低コストにAmazon Goを世の中に広められる。
  • 安定収益:Amazon Goの仕組みで安定的に売上をあげられる。投資資金の回収して、さらなるGoテクノロジーの開発ができる。
  • 広がるビジネス展開:Amazonが店の売上・在庫管理・発注を管理するようになる。売上データを使った新しいビジネス展開が可能。

注目は2点目に上げた成功すればAmazonに安定した収益をもたらすこと、さらに3点目の今後新しいサービスの可能性を生み出すことです。

安定した収益を上げられるAmazon Go

Amazon Goのシステムが実店舗に普及し始めると、これがAmazonの新しい安定収益源になります。

現在、Amazon Goでどのように課金するのかはまだ仕組みが決まっていないようですが、売上の一定割合を店舗に課金するか、毎月システム使用料を課金するかが候補に挙がっているようです。

この売上はとても安定的です。不況が来ようが何をしようが、一度Amazonと契約したら、その店舗はお店を開ける限りAmazon Goに料金を支払ってくれることにあります。

それは今まで長年Amazon Goに投資していたお金を回収できるようなることを意味します。そうして回収できたお金は再度、Amazon Goのシステムを新しくしたり、より多くの店舗に導入を進めるための投資に使われるようになります。

売上・在庫・発注まで管理するAmazonに広がる新しいビジネスの可能性

このAmazon Goの他社展開のすごいところは、お店の売上も在庫も全てAmazonが把握できるようになることです。そうすると新しいサービスや商売もさまざまに可能になっていきます。

たとえば、iPadやiPhoneに取り付けるだけでクレジットカード決済ができるようになるスクエアは、集めた売上データを使ってビジネスの好不調を判断して、有望な店舗に投資資金を貸し出す商売をずっと前から始めています。

Amazonも売上データや在庫データを把握できるようになれば、スクエアと同じような有望店舗への投資資金提供が可能になったり、新しいサービスを展開できるようになる可能性が拓けてきます。

今後が楽しみなAmazon Goの他社展開

実際に他社に展開する際には、導入するために必要なカメラなどセンサーの量産、システム導入時のエンジニアの確保などが必要なので、普及には時間がかかるでしょうが、今後の展開が非常に楽しみな一手です。

この記事を書いている19年10月1日は日本は消費増税が開始され、増税の消費減少対策にキャッシュレス決済によるポイント還元が行われますが、日本が進めているキャッシュレス決済導入よりも、1つ次元が上の店舗システムの導入の動きが2020年からアメリカで始まろうとしています。


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