2018年に比べて2019年は、ずいぶんと多くの人々が数年以内にアメリカが景気後退するという主張をするようになりました。
アメリカは景気後退入りしないと言っているのは、アメリカ中央銀行FRBや金融当局者、それにジェレミー・シーゲル博士くらいです。確率を低めに見積もっているのが、レイ・ダリオ氏。その他は、かなり熱を入れてアメリカが景気後退入りすると主張しています。
2019年に9月に入ってから、メディアで語られたものだけを集めても、そうそうたる著名投資家がアメリカの景気後退について予想をしています。
この記事では、これらの投資家のアメリカの景気認識についてを楽観的なものから悲観的なまで並べ、2019年9月時点の予想としてメモしておきたいと思います。
- 長期株投資家ジェレミー・シーゲル氏:政策金利を10年国債利回り以下にして、早期に逆イールドを解消しないと景気拡大は深刻な減速を招く。しかし、それでもアメリカは景気後退入りしないと予想。
- 世界最大のヘッジファンドのレイ・ダリオ氏:2020年末までの景気後退入りを25%と予想。保護貿易を進め、中央銀行の政策効果に陰りが出た1930年代の政治と経済の類似点の指摘。投資対象に金を少量組み入れることを推奨。
- 投資顧問会社グッゲンハイム・パートナーズのCIOスコット・マイナード氏:2020年半ばまでの景気後退入り確率は58%、2021年9月までの同確率が77%と予想。FRBの利下げが成功するかの主要な指標とみていて、逆イールドが長期に続くようなら、景気後退の警戒が必要。
- 債権王のガンドラック氏:2020年米大統領選前のリセッション入りは確率75%と予想。逆イールドの発生を理由に、2020年の選挙の前にリセッション入りもあると警告
- 富裕層向け資産運用グラスキンのデビッド・ローゼンバーグ氏:FRBは金利をゼロにしたとしても、12ヶ月以内(2020年9月まで)に景気後退入りする。19年9月の時点で景気拡大は減速していると主張。
もちろんこれらの予想は、状況が変わればいくらでも大きく変化します。
レイ・ダリオ氏は、予想が変わりうる出来事として、中央銀行の政策、貧富の拡大差、米大統領選挙の経過・結果、米中関係など、あらゆる要素があると指摘しています。
あくまでも2019年9月時点の著名投資家の予想ですが、悲観的になものが目立っている印象があります。