アメリカの景気、依然として強いです。アメリカ国内の消費だけが、やたらと強いです。
2019年8月に入ってからアメリカの製造業の指数が10年ぶりの低調になり、アメリカにも減速の影が見え始めたと記事を書きました。たしかに製造業には、景気後退の足跡が忍び寄っているのですが、一方でアメリカの個人消費は絶好調のようです。
参考記事:ついに、ほころび始めたアメリカ製造業。製造業指数は約10年ぶり低水準。
そしてアメリカのGDPの7割を占める個人消費が絶好調なだけに、アメリカの景気後退はまだまだ訪れないとの見方が広まっています。
絶好調な消費者信頼感指数
アメリカの経済団体や労働組合で構成されるコンファレンスボード(全米産業審議会)は、毎月5000世帯の消費者に景況感をアンケートして結果を数値化していますが、2019年8月も強い数字が出ています。
- 結果135.1で、アナリスト予想129を上回る。
また、2019年8月現時点の景気の強さを表した指数は前月の170.9から177.2にまで上昇していて、これは2000年11月以来の約19年ぶりの高水準のようです。
スターバックスCEO「景気後退の兆候はまったくない」
アメリカの消費は、絶好調のようですね。このまま行けば、おそらくアメリカの消費者向けにサービスを展開している企業の2019年第3四半期決算も、良い結果が出てきそうです。
スターバックスのCEOは、CNBCの取材に対して「今のアメリカでは景気後退の兆候は全く見られない。スターバックスは、エンジン全開の状態だ」と好調ぶりを語っています。
Starbucks CEO sees no signs of a looming recession – ‘We’re firing on all cylinders’(CNBC)
これはなんとも頼もしい限りです。次の決算にも期待しています。
強い個人消費がアメリカ経済を支える
製造業は陰りが見えはじめていますが、アメリカ経済の中心の個人消費が絶好調なので、アメリカの景気後退はまだまだ先になりそうです。
2019年第2四半期のGDP速報では、アメリカの個人消費は前期で年率4.3%で急成長しています。この時のアメリカのGDP成長率は2.1%だったのですが、内訳を見てみると個人消費がGDP成長率2.9%分の押し上げをしていて、その他の合計のマイナス分を大きくカバーしています。
GDP内訳の詳細なデータはこちらを参照:
四半期別実質GDPの成長率(前期比年率)と寄与度(ジェトロ)
まさに、アメリカの個人消費だけが絶好調な状態と言えます。