このブログ、何のブログでしたっけ
女子レスリングで金メダリストの吉田沙保里選手と同じ階級で、国内の大会で吉田選手に挑み続けた松川知華子さんの話をテレビで見ました。
「まっちゃんがいたから連覇ができた」吉田沙保里に挑み続けた世界最強の2位(FNN PRIME)
同じ階級で世界一の吉田選手を倒して、オリンピックでメダルを取って真のチャンピオンになるという夢があったようで、別の階級に転向することなくずっと挑み続けたそうです。
日本の強化合宿ではライバルだったので一言も会話はしなかったものの、常に吉田選手を見続けて、どうやったら倒せるのかをいつも考えていたと言います。
残念ながら彼女の夢はかないませんでしたが、いつも吉田選手のことばかり考えたせいか、「気づいたら、私、吉田選手のことが好きになってしまったんじゃないかと思うことがよくあった」と当時の様子を冗談めいて、笑いながら話していました。
最近、このブログではトランプ大統領のことばかり取り上げています。
毎日何かしらの記事を書いていて、米国株ブログなのか、トランプ・ブログなのかわからなくなりつつあります。そろそろ「気づいたら、私、トランプ大統領のファンに…」ということになるのでしょうか。
いやいや。それはないですね。あくまでも今後の景気に大きく影響するイベントとして、ブログで取り上げているだけです。
私の興味は人に対してよりも、いつ景気後退が訪れるか、それに備えてどんな行動をとったら良いかです。すみません。前置きが長くなりました。そろそろ本題に入ります。
中国との交渉の難化で、FRBに矢を向け始めたトランプ大統領
8月に入ってから状況が尋常じゃなく早く動いているので、一旦ここまでの盤面を整理します。
8月1週目からトランプ大統領は中国とFRBの両面に対して、圧力をかけていました。
中国に対してはアメリカ産農産物の輸入拡大と貿易協議の進展をもとめ、FRBに対しては景気刺激策として政策金利を引き下げてくれと圧力をかけています。
しかし、アメリカも中国も互いの制裁に対して、追加の制裁でお返しをする「沼」のような展開になってしまい、トランプ大統領は中国とのこれ以上の過激なやり取りは賢明ではないと判断したのでしょう。トランプ大統領は中国に対して、いまだ貿易交渉の対話を望んでいると話をしてから、対立の激化は一旦収まりつつあるように見えます。
歩み寄りを見せ始めた米中貿易戦争。中国の為替管理とトランプ大統領の会談希望の声。
そこで、次に白羽の矢はFRBに向いたようです。8月6日に、トランプ大統領のアドバイザーのナバーロ氏がFRBに大幅な利下げを要求する発言を公にした翌日、今度はトランプ大統領がツイッターでFRBに迅速に大幅な利下げをするように迫りました。
大幅な追加利下げを望むトランプ政権、様子見を続けるFRBの駆け引き。
トランプ大統領としては、着地点が見えなくなって成果が上げづらくなった米中貿易協議よりも、利下げ余地のあるFRBに迫って、景気刺激の利下げを実施してもらうことで2020年の大統領選を有利に戦いたい狙いがあるのかも知れません。
大幅に速いペースでの利下げを要求
先日のナバーロ米大統領補佐官のFRBへの要求に続いて、トランプ大統領はツイッターでFRBに名指して批判をして、大幅で速いペースの利下げを迫りました。
….proud to admit their mistake of acting too fast and tightening too much (and that I was right!). They must Cut Rates bigger and faster, and stop their ridiculous quantitative tightening NOW. Yield curve is at too wide a margin, and no inflation! Incompetence is a…..
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) August 7, 2019
Our problem is a Federal Reserve that is too proud to admit their mistake of acting too fast and tightening too much (and that I was right!). They must Cut Rates bigger and faster(…)
今のアメリカの問題はFRBのプライドが高すぎて、あまりにも速いペースで大きく利上げをしすぎた(私の主張のほうが正しかった!)と誤ちを認めることができない点だ。FRBはより大きな幅で、かつ、より速いペースで利下げを行う必要がある。
トランプ政権は連日熱心にFRBに圧力をかけていますが、実際にFRBが利下げペースを早めるかどうかは、かなり不透明です。
対するFRBは、歴代の4人の議長が連名でウォール・ストリート・ジャーナルに記事を寄稿し、FRBに対して政治的な圧力をかけることは長期的に見てアメリカ経済の利益を損なうと反論しています。
【寄稿】FRBの独立、米に必要=歴代議長4人(ウォール・ストリート・ジャーナル)
この寄稿文は日本語のものしか見れていませんが、トランプ大統領の情熱的で相手を煽るような文とは正反対で、極めて論理的で冷静な書き方をしています。
こうした歴代のFRB議長の声もあるので、現FRBメンバーも冷静に利下げの必要性を判断することでしょう。
しかし、市場は年内の3回の政策決定会合のうち、2回から3回の0.50-0.75%の利下げを予想しています。仮にアメリカの経済が順調で、市場の期待よりも少ない利下げであれば、利下げを見越して買われてる株価の下落が起きます。一方で、FRBが利下げを次々と進めるようであれば、それはアメリカの景気後退を意味します。
どっち転んでも、年末にかけて不穏な展開が待っている気がします。ちょっと困った展開になるなと感じている今日このごろです。