やはり、2019年4-6月期は個人消費が強いです。P&Gの2019年第4四半期決算でも、大幅ではないものの売上・利益ともにアナリストの事前予想を超えてきました。
株価は市場のオープン前の時間外取引で、4%弱上昇しています。
- 売上:前年同期比+4%の$170.9億ドル。事前予想の$168.6億ドルを上回る。
- 一株利益:1.10ドル。事前予想の1.05ドルを上回る。
また、為替やM&Aなどの影響を取り除いた売上(オーガニックセールス)では、値上げや売上比率の高い家庭用品部門の+10%成長が光り、前年同期比で+7%の成長を見せています。
2019年1-3月期でもオーガニックセールスは5%成長していましたが、今期は7%の成長へと加速したことで、デイビッド・テイラーCEOが率いていた改革が、実を結びつつあるように見えます。
部門別売上の前に、P&G部門紹介
実際に、今期のP&Gの売上を部門別に見る前に、P&Gの4つの部門をおさらいしておきます。
- Beauty:ヘアケア(シャンプーやスタイリング)とスキンケア(美容・化粧品)を扱う部門。ブランドはパンテーンやSK-IIなど。
- Grooming:シェービングを扱う部門。ジレットやブラウン等がある。
- Health Care:オーラルケアとパーソナルヘルスケア(ビタミン、サプリメント、のど飴)を扱部門。代表ブランドはオーラルBとのど飴のビックス。
- Fabric & Home Care:ファブリックケア(洗剤やファブリーズ)、ホームケア(食器洗い洗剤、掃除用具)を扱う部門。代表ブランドはアリエール、ジョイ、ファブリーズ。
- Baby, Feminine & Family Care:幼児や女性、家族向け製品を扱う部門。ブランドはパンパースなど。
P&G部門別売上構成比(PG公式サイトより):
なお、P&Gの部門紹介については、こちらの公式サイトでより詳しく説明があります。
P&G AT A GLANCE – P&G
部門別のオーガニックセールスではヘルスケアと家庭用品が10%成長
為替や買収などの影響を取り除いた売上(オーガニックセールス)の前年同期比成長率を見てみると、Health CareとFabric & Home Careが共に10%で牽引していることがわかります。
特に売上規模がP&Gの中で最大のFabric & Home Careが10%成長していることは、全体を大きく押し上げる結果になりました。
カテゴリ | オーガニックセールス成長率 |
---|---|
Beauty | +8% |
Grooming | +4% |
Health Care | +10% |
Fabric & Home Care | +10% |
Baby, Feminine & Family Care | +5% |
Total P&G | +7% |
改革の結果が出つつあるP&G
P&Gはデイビッド・テイラーCEOが指揮をして、ブランド数を175から65へと削減し、その過程で事業譲渡や工場廃止などを積極的に推進していきました。
その結果は、徐々に身を実を結びつつあるように見えます。2019年1-3月期のオーガニックセールスの5%増加に続き、今期も7%増加へとわずかながらに成長が加速している点は、大変良い知らせです。
そして、計画通りに進めば2020年2月までにパンパースなどの主力製品で段階的に行っている4-10%の値上げも完了予定です。こちらがうまくいくかが次年度のカギを握りそうです。