11月に入ってから、このブログではアメリカの消費が落ちてきたという話をしてきました。
しかし、11月末の感謝祭の週になって消費がだいぶ持ち直したように見えます。
ここではアメリカ経済分析局が毎週の公開してるクレジットカードの利用状況を見ていきます。
この記事のポイント
- アメリカ経済分析局(BEA)は毎週クレジットカードの利用状況からアメリカ全体の消費の推計をしている。
- 11月22日から28日までの感謝祭を含む週のデータは、アメリカの消費が好調だったことを示している。
- 11月前半に低迷していたように見えた消費は、感謝祭の週で持ち直した模様。
リアルタイム消費データ
アメリカ経済分析局(BEA)は毎週、Near Real-Time Spendingというデータを発表しています。
直訳すると「ほとんどリアルタイムで発表される消費データ」という意味で、クレジットカードの利用状況からアメリカ全体の消費を推計したデータを毎週発表しているようです。
ちょうど一週間前には、このデータが示すアメリカの消費が11月に急減速していると言う話をしました。
そして、今週の新たなデータがBEAから発表されたのですが、感謝祭を含む11月22日(水)から11月28日(火)までの1週間週は消費が好調だったようです。
このデータは毎週のバラツキが大きいので11月22日の週だけ見ていても仕方ないのですが、4週間の平均(上図の濃い赤線)を見ても11月の低迷から復調した様子が見えてきます。
消費とインフレの鈍化はまだ先か
先週までは11月からアメリカの消費は低迷し始めたのかと思っていたのですが、今週になってアメリカの消費は底力を見せつけられる結果になりました。
11月からアメリカの消費が低迷を始めれば、インフレのさらなる鈍化(とその先の政策金利引き下げ)も期待できるかと思ったのですが、その期待を持つのはまた早かったようです。
一部の貯蓄に余裕がある層にはまだ消費できるお金が残っているようなので、今はまだ消費が大きく低迷する時期ではないのかもしれません。
コロナ前に貯めた余分な貯蓄は2024年5月頃になくなると思われるので、やはりその時期にならないと消費の低迷とインフレのさらなる鈍化が望めないのかもしれません。