昨日、アメリカの個人消費が冷え込んできたのではないかという話をしました。
1日経って、その信ぴょう性は少し増したように思います。ウォルマートの決算発表でも消費が失速しているというコメントが聞こえています。
- ウォルマートは決算発表で10月後半の2週間で消費が落ち込んだことを発表した。
- 10月後半から11月前半にかけて消費が落ち込んだことを示すデータを最近よく目にする。
- 個人的には、2024年こそはアメリカが景気後退になると思っている。
ウォルマートで10月後半の消費が鈍る
昨日、ウォルマートの決算発表後にこの企業の株価が大きく下がりました。
業績には問題ありませんでしたが、気がかりなのはウォルマートがアメリカの消費が弱まっているという見方をしている点です。
ウォルマートのインベントは好調だったし、それには我々も満足している。ハロウィーンイベントは全体的に良かった。しかし、10月の最後の数週間でウォルマートを立ち止まらせ、消費が健全なのかを考えさせるようなビジネスの傾向がたしかに見られた。
私の英語力がつたなくてニュアンスを的確に日本語に表現できているか自信がありませんが、単刀直入にいうと10月最後の2週間で消費が落ち込んだようです。
これは昨日確認したアメリカの週別の消費データ(Near Real-Time Spending)ともほぼ一致します。週別の消費データもたしかに、直近で鋭い消費の落ち込みがあったことを示しています。
時期は10月後半なのか11月前半なのかのズレはありますが、アメリカの消費がこの時期に急に冷え込んだことは確かなようです。
弱まってきた雇用と消費
ここではウォルマートの現場でも消費が弱まっている兆候が見られたという話をしました。
もしも、昨年の12月のように気象や災害などが消費低迷の原因ならこの動きが一時的なものになると思われますが、今回はそのような情報は把握していません。
学生ローンの返済がやはり消費に悪影響を与えていたのか、それとも雇用の悪化が消費に悪影響を与え始めたのか、金融引き締めがついに消費を冷やし始めたのか。こういうたぐいが消費の低迷の背景にあるなら、引き続き消費は落ち込むと思われます。
2023年前半まではアメリカの雇用も消費もまだ強いという声が大半でしたが、その状況に変化が出てきたかもしれません。特に雇用については、失業率の上昇が過去の景気後退入りの水準にまで近づいてきています。
2024年のいつになるのかわかりませんが、そう遠くない時期にアメリカは景気後退になるのだろうと思います。