イスラエルの戦争が始まって迎えた昨日の市場ですが、ひとまず株高で反応しました。
心配していた原油高はやはり見られたのですが、「原油高によるインフレ懸念で金利上昇・株安」という展開にはなりませんでした。
この値動きにはほっと一安心しましたが、過去の例を見てみると引き続き原油価格には警戒が必要となりそうです。
この記事のポイント
- イスラエルとイスラム組織ハマスの開戦後に迎えたアメリカ市場では、株も国債も買われる動き(「戦時の株高」と「リスクオフの国債買い」)が見られた。
- しかし、50年前の第4次中東戦争では開戦1ヶ月後に原油価格の急騰を招いて株価の大幅下落と景気後退を引き起こしている点には要警戒
原油高、株高、金利低下が見られた市場
昨日の米国株はイスラエルの戦争の影響がどのように現れるかが注目されました。
この日の株価は下げて始まったのですが、結局は上昇に転じて終えることができたようです。
ひとまず、この結果は良かったと思います。中東という原油価格に影響しやすい場所での戦火だったので原油価格は上昇しましたが、原油の上昇ですぐに「インフレ再燃で金利上昇と株安」という展開にはならなかったようです。
まだ、1日だけで今後の展開を話すのは早計かもしれませんが、よく言われる「戦時の株買い」のパターンになれる可能性はあります。
個人的にはこの数ヶ月の米国債の価格低下で資産を減らしていたので、そこに更に戦争をきっかけに「インフレ再燃で金利上昇(国債の価格下落)」がやってきてしまうとさすがに堪えるところだったので、一安心しています。
1973年の中東戦争での動き
「戦時の株買い」と「リスク回避の米国債買い」でスタートしたのは良いことですが、過去のイスラエルでの戦争の動きを見てみると、まだ安心できない材料はあります。
昨日のブログでも書きましたが、一番の不安材料はやはり原油価格です。
今回の戦争はちょうど50年前に始まった1973年10月の第4次中東戦争と似ている点がいくつかあります。
この時は戦争開始直後は株価が上昇したものの、1ヶ月後に原油価格の急上昇の悪影響を受けて株価は急低下して、その後の景気後退に至ります。
よって、今後も原油価格に注意が必要なのは変わりません。
そして、50年前に原油価格の急上昇を引き起こした中東諸国の石油禁輸の措置が今回も起こらないかどうかは、引き続き警戒して見る必要がありそうです。