アメリカの7月の小売売上のデータが発表されました。
予想を大きく回る消費の強さで少し驚きました。私は何ヶ月もアメリカの景気後退のシグナルを追いかけてきたのですが、7月はアメリカの景気の強さに脱帽でした。
この記事のポイント
- 7月のアメリカの小売売上高は予想を大きく超える伸びを示した。
- 改めてアメリカの景気の強さを再認識させられる形になった。
- 今回の結果を受けて、アトランタ連銀のGDP予想値は7-9月で前期比年率+5.0%に引き上げられた。
予想を大きく超えた7月のアメリカ小売売上高
冒頭でお話したように、7月のアメリカの小売売上高はかなり強かったです。
- 前月比:0.7%(予想0.4%)
- コア前月比:1.0%(予想0.5%)
前月比+0.7%では凄さがあまり伝わらないのですが、このペースが12ヶ月続くと(年率)9%にもなる大きな伸びでした。
小売売上高は変動が大きなデータなので、傾向を掴むために前年比同月比も見てみます。
上図に書いたように前年比で+3.2%と少し上向いていることがわかります。
まだ過去1年続いたような低下トレンドを脱するような勢いは上のグラフからは感じられませんが、7月の1ヶ月は小売が好調で前年比でもわずかに上向きになっています。
Redbookの結果との乖離
このブログでは、Redbookが発表している全米の小売の既存店売上のデータを見ながら、7月は低迷が見られるという話をしていました。
しかし、蓋をあけてみると政府発表の小売売上高の調子はすこぶる好調だった模様です。
市場の投資家の注目度が高いのはredbookではなく今回のアメリカ政府発表のものなので、7月は小売が強かったという認識に修正したいと思います。
7-9月期に高成長の予想
この結果を受けて、アトランタ連銀のGDP予想モデル(GDPNow)は7-9月の成長率を引き上げたようです。
このブログを書いている時点では、7-9月期のアメリカの実質GDPを前期比年率5.0%と予想しています。
とても、アメリカが景気後退に向かっているとは思えないような数字です。
これを見ていると、7-9月のアメリカの景気後退の可能性はほぼないのだろうという気になります。
だからといって、アメリカに景気後退がやってこないと言うわけではないですが、その時期はまだまだ先のことになりそうです。そして、7-9月期の最初の1ヶ月でアメリカの消費は好スタートを切ったようです。
また、月末には小売売上よりも注目度が高い個人消費支出が発表されるので、そちらでも消費が好調だったかどうかを確認したいと思います。
さて、困りました。2023年にアメリカの景気後退を予想していたのですが、その予想はこのままでは外れてしまいそうです。
そうは言っても米国株は既に割高に見えており、今から米国株に手を出すのは違う気がしています。
来年2024年にアメリカのインフレが収まると予想するなら、金融引き締めの終了して逆風が和らぐ米国債の保有が良いかと思うので、今はまだ資産が増えない米国債をずっと保有し続けています。