日本時間8月4日朝に発表があったアップルとアマゾンの決算を見ていきます。
どちらも4-6月の業績は予想をアナリストの予想を超えましたが、一方で7-9月期の業績見通しに明暗があったようです。
アップルは引き続き売上がマイナス成長にとどまりそうなコメントを残した一方で、アマゾンは7月のプライムデーのセールの好調を理由に強気なガイダンスを出しました。
この記事のポイント
- アップルは4-6月期の業績は予想を越えが、7-9月期の売上は前年を下回る見通しだとコメントして株価が下落した。
- 一方で、アマゾンは4-6月の業績が予想を超え、さらに7-9月期もセールの好調を理由に強気な見通しを示して株価が上昇した。
アップル決算
アップルの4-6月期ですが、売上も一株利益も事前のアナリスト予想を超えました。
- 一株利益:$1.26(予想$1.19)
- 売上:$81.80B(予想$81.69B)
「予想を超えた」と言っても、大きなサプライズがあったわけではなく、無難な業績だったと思います。
売上は前年比マイナス1%でお世辞にも良い結果だったとは言えない内容です。
製品別の売上成長率を見ると、主力のiPhoneがマイナス成長なのはいただけませんが、前回まで大きく低迷していたMac(PC)が復調しているのは良い兆しです。
なお、今回のアップルの株価の変化を見ていると、どうも決算発表をしている最中に下落しているようにも見えます
原因はおそらく6-9月期の業績に関するコメントです。
アップルは業績見通しを数字で発表していませんが、その代わりに投資家にヒントになる情報を小出しにして開示しています。
そして、今回の決算発表ではCFOが7-9月期では売上が減少すると予想しているという内容のコメントを残しました。4-6月期も売上がマイナス1%でしたが、このような状況が次回の決算でも続くことになりそうです。
業績がさえないのに2023年にアップル株が上昇してきた背景には、投資家がアップルの回復を期待して株を買っていたことが要因の一つにあったはずです。上のグラフで売上の成長率を再度見てみると、最近のアップルの成長率は2023年第1四半期に底を打っており、次の決算期で売上はプラス成長に転じる期待ものぞかせていました。
しかし、今回の弱気な見通しのコメントにアップル株の投資家はガッカリして株価下落に繋がったと思います。
2023年のアップルは株価を大きく伸ばしましたが、前年比マイナス成長の低成長が続くなら、株価が今度も上昇するのはやや難しいかも知れません。
アマゾン決算
続いて、アマゾンの4-6月期の決算を見ていきます。こちらも業績が予想を超えたようです。
- 一株利益:$0.65(予想$0.35)
- 売上:$134.4B(予想$131.5B)
4-6月の業績については、前年比+11%と前回よりも少し加速しました。
特に、営業利益の成長率がV字回復しているように見えます。
今回の業績の好調の要因は、北米以外の売上が伸びたことです。それに、2022年は強いドル高の逆風の影響を受けて、北米以外の地域で売上が減少していましたが、今年はその影響が小さくなったと思われます。
また、7-9月期のガイダンスも市場の予想を超えていい感じでした。このガイダンスが良かったこともあって、株価は決算発表直後から上昇しました。
- 売上見通し予想:138.25B
- 売上見通し:$138B(前年比+9%)〜$143B(前年比+13%)
アマゾンが強気なガイダンスを出せたのは、7月に2日間開催したプライムデーセールが好調だったことが背景にあるようです。
ここではアップルとアマゾンを見ていきましたが、成長率を見ても7-9月の業績へのコメントを見てもアマゾンのほうが内容が良かったので、決算発表後の株価もわかりやすく差が出た印象です。