6月のアメリカの景気先行指数をみていきます。
この1年ほど景気先行指数はずっと低調な数字を叩き出しています。
景気先行指数を発表しているカンファレンスボードも、リセッションの到来時期こそ予想を外していますが、今では2023年第3四半期から2024年第1四半期までリセッションになると予想をしています。
この記事のポイント
- アメリカの景気先行指数は6月も前年比マイナスが続いた。前月比マイナスは世界金融危機以来の15ヶ月連続になった。
- カンファレンスボードはアメリカのリセッション突入時期の予想をずるずると後退させ続けているが、リセッション予想は撤回していない。
低迷を続けるアメリカの景気先行指数
カンファレンスボードが発表している景気先行指数では、株価、国債の利回り、その他の新規受注や建築許可数などの今後のアメリカ経済を占うような経済指標のデータを使って、今後のアメリカ経済の先行きを数値化しています。
6月のアメリカの景気先行指数の結果を見てみると、リセッションを警戒するマイナスの値が出ています。
- 予想:マイナス0.6%
- 結果:マイナス0.7%
このマイナスの値は数ヶ月続けば景気後退が起こるというものなのですが、既に1年以上もマイナスの状態が続いています。
カンファレンスボードのリセッション予想
2022年からアメリカの景気先行指数は低迷が始まり、今ではコロナショックや世界金融危機と同じようなペースで悪化しています。
過去のリセッション時期とその時の景気先行指数の動き(下図)を見てみると、いつでもアメリカはリセッションに入ってもおかしくない状況です。
データがこのような状況なので、発表元のカンファレンスボードはアメリカのリセッションが迫っているという予想をずっと変えていません。
今では2023年第3四半期にもアメリカはリセッション入りする可能性があると予想しています。
景気先行指数は15ヵ月連続で前月比マイナスになりました。これは世界金融危機に突入した2007-08年以来の記録です。経済活動は今後数ヶ月間減速し続けることを6月のデータは示しています。われわれは、アメリカ経済が2023年第3四半期から2024年第1四半期にかけてリセッションに陥るだろうと予想します。物価の上昇、金融引き締め、信用収縮、政府支出の減少は経済の成長をさらに鈍らせることになるでしょう。
カンファレンスボード
この発言をしている2023年7月現在は既に第3四半期に入っているというのに、かなり攻めた予想です。
ただ、1年前からカンファレンスボードは「2023年末にもリセッションの可能性がある」と発言するなど予想が早すぎる傾向はあるので、次も2023年第3四半期の予想が外れて数カ月後に修正をかけるかもしれません。
カンファレンスボードのリセッションの予想時期はこの1年に何度も延期されていますが、それでもリセッションをする予想はずっと変えていません。リセッションが起こることは堅い予想なのでしょう。
私は昨日話したようにしぶとく強い雇用がアメリカの経済を支えているのでまだリセッションは来ないとは思うのですが、アメリカ経済の低迷を可能性を感じさせるデータがあまりに多いので、リセッションは起こるものだと思って構えておきたいと思います。