7月19日は注目度の高い決算発表が2つありました。
年初から米国株を引き上げているテスラ(年初来+169%)とネットフリックス(年初来+62%)です。
2社とも決算発表後に株価が下がったのですが、下落率が示すほど悪い内容だった気はしません。恐らく今までの期待が高かったこともあり、一旦調整が入ったようにも見えます。
- テスラは4-6月期の業績は良かったものの、夏に工場を止める計画があって第3四半期に生産が少し落ちるコメントなどがあり株価を下げた。
- ネットフリックスは売上がアナリスト予想に届かなかった。広告付きの低価格プランで会員数は伸びたが、売上が伸び悩んだ。
テスラの決算
4-6月の業績はそれほど悪くありませんでした。売上も一株利益もアナリスト予想を超えています。
- 売上:$24.93B(予想$24.47)
- 調整後の一株利益:$0.91(予想$0.82)
これだけ規模の大きな会社ですが、売上は前年比44%と引き続き大きな成長をしているのは立派です。多くの投資家をひきつける分かりやすい要因になっていると思います。
しかし、今回の決算発表後の株価の動きは冴えませんでした。
決算発表で株価が下がった原因はいくつか考えられそうです。1つは第3四半期(7-9月期)は少し生産が落ちるとコメントがあったためです。
テスラは2023年の180万台の納品を目指しているが、工場のアップグレードで夏に工場を閉じるため、第3四半期は生産がわずかに落ちるだろう。
イーロン・マスクCEO
また、前回の決算でも気になっていたことですが、利益率が下がり続けていることは懸念材料です。今年は頻繁に車の値下げを繰り返していることが影響しているかもしれません。
いずれにしろ、2023年はテスラ株に対する期待がかなり高かったので、この決算発表では少し売りが入った模様です。
ネットフリックスの決算
他の多くの企業が4-6月期で予想を上回る業績を残している中、ネットフリックスは売上が予想に満たなかったようです。
- 売上:$8.19B(予想8.30B)
- 一株利益:$3.29(予想$2.90)
- 加入者純増数:589万人(予想210万人)
テスラほどではないですが、ネットフリックスも2023年に年初来+62%と大きく株価を上げていた企業なので、売上のアナリスト予想未達は株価には良くない影響が出たと思います。
決算発表後にはマイナス8%と大きな株価下落が見られました。
今回の決算では良い材料もあります。例えば、下のグラフを見ると加入者が伸び底を打って、加速している様子が見られます。
しかし、売上は加入者ほど伸びていません。
これらを併せて考えると、今回の加入者の伸びは広告付きの低価格プランが牽引したものと思われます。
ネットフリックスでは、アメリカを中心にパスワードを共有するユーザへの対策を強化しつつ、広告付きの低価格プランを展開しています。そのおかげで会員数は増えているのですが、売上が伸び悩んだという結果になっています。
まとめ
7月19日に決算発表があったテスラとネットフリックスの決算を見ていきました。どちらも株価に織り込まれた期待は高かすぎたのか、決算発表後に株価は調整する展開になっています。
この数ヶ月は一部の大型ハイテク株が投資家の期待を一心に集めてきたので、この辺りで一休みするタイミングが来たのかもしれません。
ただ、決算発表後に株価は下がりましたが、「ひどい内容」というよりは「高いすぎる期待には応えられなかった」という印象のほうが強いです。
経済はまだ大きく崩れていないことを考えると株価はさらに一段上を目指せるかもしれませんが、その前の調整はいずれ必要だったのだろうと思います。