先日スターバックスのモバイルオーダーペイメントという新サービスの紹介をしました。アプリで注文して決済まで済ませて、並ばずにコーヒーや食事を受け取れるサービスです。
スタバ、レジに並ばず商品を受け取れるモバイルオーダー&ペイを開始。
アメリカではスターバックスのアプリは5500万人にダウンロードされていますが、そのうちの40%はモバイルオーダーペイメントを使っているといわれているので、2200万人はアプリ経由でスタバの商品をネット注文していることになります。
こういうサービスを利用し始めると「なんで今までこういうサービスがなかったんだろ」というくらい、有り難いサービスだったりします。インターネットやスマホと同じですね。それが無かった時代には、なかなか戻れない便利さがあります。
近年では、モスバーガーなどでも同じようなネット注文を受け付けていて、日本でも徐々にこうしたアプリ注文がこれから普及してくるのかなと、つい期待してしまいます。
しかし、スターバックスなどのIT技術を積極的に取り入れている企業ならまだしも、実際にこうしたネット注文のシステムを企業が導入するのは結構面倒だったります。ネットで注文するアプリやwebサイトを作るだけなら簡単ですが、店舗の店員に確実に迅速に注文内容をどう伝えるかとか、そもそ大企業出ない場合には、アプリ開発のコストも気になるところです。
「あ〜、うちのコーヒーもアプリやネットで注文して受け取るサービスを気軽に始めたいのにな」という悩める店長さんに朗報です。
最近気になった企業に、cloosivという面白いビジネスを手がけるところがあるのですが、まさにどんなお店も気軽にネット注文受け付けられるようにできるアプリを開発しています。
現時点で主な対象はコーヒーショップですが、Cloosivに登録した店舗はCloosivアプリでスターバックスのようにネット注文を受け付けることができるようになります。また、注文が入れば、店舗用Cloosivアプリに注文の通知が行く仕組みです。
また、将来的に小型店舗でよく使われるSquareなどのタブレット用レジアプリに、注文の通知情報が届くように拡張予定とのことです。Cloosivはネット注文を受け付けるプラットフォームを提供する代わりに手数料で儲けるビジネスを展開しています。
未だアメリカで数百店しか対象店舗はないものの、Cloosiv対応店舗が広まれば広まるほどCloosivと契約する店舗もユーザも増える特徴があるため、規模が大きくなった場合には非常に魅力的な企業です。
ちなみに、対応店舗が広まれば広まるほど価値が増える現象は「ネットワーク効果」と呼ばれます。この効果を持っている企業が安定して売上をあげることができるので、投資する対象として大変魅力的です。
ネットワーク効果の詳細はこちら:【初心者向け】バフェットも注目する経済的な濠とは何か。
魅力ある、面白い企業だと思います。
が、しかし個人投資家の皆さんには残念なお知らせです。こちらの企業はまだ株式公開されていない2017年創業のスタートアップで、個人で投資することはできません。
Cloosivは2017年創業のスタートアップ
また、このありがちな展開ですね。この4-5年間、面白い企業だなと思ったのに、調べてみたら株式公開されていないケースが本当に多いなと感じます。というよりも、個人的には9割以上がこのパターンで、この数年保有銘柄に新しい企業があまり増えていません。
タクシー配車アプリのUberやSlackも今年ようやく上場されましたが、4-5年前から使っていた身としては「ようやくか」という思いと、「既に人気企業になっていて、かなり割高だな」と感じて、投資する意欲がなかなか出ないです。
コーヒーショップBlue Bottle Coffee、自動運転Cruise、配車アプリLyft、植物性原材料で人工肉作るBeyond MeetやImpossible Foodsも十分すぎるくらいに有名になってから上場されるか、もしくはその前に大手に買収されるなどして投資機会が個人に回ってくることがほぼない状態です。
注目していた企業の中でもシェイクシャックは企業規模が大きくなる前の2015年に上場したので、その年に投資しましたが、それでも人気が高かったため割高で数年間は目立ったリターンが出ませんでした。2018年までは目立った利益はなく、2019年のこの記事を書いている時点で80%の含み益なので、ようやく芽が出た感じです。
しかし、Cloosivのような店舗とユーザをつなげるようなビジネスは面白いですね。上場はまだまだ遠い道のりだと思いますが、今後の成長を楽しみにしてます。