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アメリカ経済は踏みとどまっている

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私はかれこれ半年以上前から、2023年のアメリカのリセッション(景気後退)を予想して投資をしてきました。

しかし、本当になかなかリセッションが来ないですね。

どうもデータを見てみると、アメリカの銀行破綻があった3月から流れが変わってしまった気もします。

リセッションが来ることは疑っていませんが、来る時期が半年から1年ほど大きく後ろ倒しされた可能性があります。

この記事のポイント

  • 2022年末まで原則が続いたアメリカ経済だったが、2023年はリセッションにならずに踏みとどまっている。
  • 2023年も1月から3月までは、順調に求人数を減らしてインフレの解消とリセッションに向かっていた。
  • しかし、3月の銀行救済以降に求人数鈍化のペースが大きく鈍った。これにより、リセッション突入時期も後ろにずれたかもしれない。

アメリカ経済は踏みとどまっている

既にかれこれ半年以上はアメリカの景気後退の話ばかりしている気がします。

それもそのはずで、2023年の年始に書いたブログのテーマが「インフレ低下」「利下げ」「景気後退」でした。

>>2023年のアメリカ経済と投資方針

「一体、いつになったら、リセッションは来るんだい」と言いたくもなります。

2022年末の時点では、2023年の半ば頃にはリセッションになっていてもおかしくないペースで景気は減速していたのですが、それから踏みとどまっているように見えます。

それはデータを見てもわかります。次のグラフは、ニューヨーク連銀のウイークリー・エコノミック・インデックス(WEI)と呼ばれるもので、実質GDP成長率と同じような動きをすることでも知られています。

上のデータを見てみると、2022年末までは景気は減速していましたが、2023年になってから地を這うような横ばいが続いていることがわかります。

この図を見てもアメリカ経済が踏みとどまっていることがわかります。

リセッションに突入しない理由

2022年まで減速していた景気が踏みとどまれている理由は何でしょうか。

2023年でまだ景気拡大が続いているのは個人消費です。その個人消費を支える雇用がまだ強いことが、景気がギリギリ踏みとどまっている要因になっていると私は考えています。

ただ、2023年の雇用がずっと盤石で強かったわけではないようです。実際に、求人数の動きを見ると2023年の1月から3月までは、アメリカはリセッションに向かってと思われるデータがあります。

次のグラフはIndeedが発表してる求人数の変化ですが、1月から3月までは求人数は大きく低下していて、雇用の強さが大きく失われつつあったことがわかります。

しかし、3月からは求人数の低下ペースが大きく減速してしまいます。

3月の出来事で、景気の悪化を食い止める要因として思い返されるのは1つしかありません。アメリカの銀行破綻後に発動したFRBの救済策です。

これにより、本来なら貸し剥がしを受けていたはずの企業へ資金が流れて、雇用弱まりがトーンダウンして、景気後退スレスレの状態が長続きしているように見えます。

もしも1月から3月までのペースが続いていたなら、2023年6月にはパンデミック前の求人数にまで低下して最近の人手不足が解消されていたはずでした(下図)。そうなればインフレも解消し、軽いリセッションを経てからもう一度経済が再スタートを切る展開になっていたはずです。

しかし、3月のFRBの銀行救済でリセッションまでの時間が半年から1年程度延長されたかもしれせん。

それは良いことばかりではなく、そのせいでインフレを抑える時期も遅くなって、結果的に金融引き締めが長く続いて経済を大きくいためることにつながるかもしれません。

リセッション後に株に投資をしようと考えて資金を温存していた投資家にとっては、待ちの時間が長くなることを意味します。2023年はとにかく辛抱強く待つ必要がありそうです。


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