今週のアメリカは消費者物価指数の発表やFOMCがあって、注目度の高い週になっています。
反対にそれらの発表を待っている今の時間は、動きの少ない暇な展開です。
(発表があったとしてもアメリカの景気後退までは資金を動かすつもりはないので、どのみち今年は暇なのですが)
この記事では特に何か言いたいことがあるわけではないのですが、今晩発表の消費者物価指数についてダラダラと書いていきたいと思います。
この記事のポイント
- 5月の消費者物価指数はエネルギー価格が物価の伸びをいくらか打ち消して、インフレの鈍化が進む見通し
- ただし、コア指数では前年比で5%以上の高い伸びが続くとエコノミストは予想している。
- アメリカのインフレ沈静化のために、コア指数の伸びが予想よりも鈍化するか、特に住居費の伸びの鈍化が続くかに注目。
鈍化トレンドの継続が予想される消費者物価
13日発表の消費者物価では、事前の予想通りならインフレの伸びは前月よりも低下するものと見れています。
- 前年比:予想+4.2%(前回+4.9%)
- 前月比:予想+0.3%(前回+0.4%)
4月に比べて5月は原油価格などに低下が見られたので、エネルギー価格が物価の伸びを抑えてくれるという予想が多いようです。
もしも、予想通り前年比+4.2%にまで低下するなら、かなり良いペースで2%に向かって物価の伸びが鈍化していることになります(下図)。
問題はコア指数の鈍化
ただ、問題はエネルギー価格や食料品などの変動の大きな項目を除いた「コア」と呼ばれる消費者物価の伸びです。
こちらの予想はまだ前年比+5.2%です。パンデミック前の2%の水準まではまだ程遠い印象です。
- コア前年比:+5.2%(前回+5.5%)
- コア前月比:+0.4%(前回+0.4%)
一応、ニューヨーク連銀の見解では(PCEコアデフレータにはなりますが)既に3月や4月頃からインフレ基調は鈍化しているということなので、そろそろ消費者物価指数でもコア指数の伸びの鈍化を見たいところです。
コアが鈍化に期待するなら、鈍化は要因は住居費の伸びの鈍化になると思います。
最近、住居費の伸びは住宅価格につられて下がり始めています。
住居費は消費者物価に占める割合が大きいので、住居費の伸び鈍化のトレンドが続くならコア指数でもインフレ鈍化が進むかもしれません。
現時点での市場の政策金利予想では「6月は利上げせず、7月に利上げ」でさらに「その後はしばらく利下げなし」という、ややタカ派的な予想になっています。
インフレの高止まりや高い政策金利は株や債券の投資家にとって何も良いことはないので、いち早くインフレの鈍化と(すぐにとは言いませんが)金融引き締め政策からの転換が起こってほしいと願っています。