5月のFOMC(アメリカの金融政策を決める会議)が無事に終わりました。多くの投資家の予想通りに政策金利は0.25%分引き上げられ、サプライズはありませんでした。
今回の利上げで恐らくこの景気サイクルで最後の利上げになるはずです。半年前から言ってきましたが、これが最後の利上げになるなら、これ以降は米国債への投資に強気で良いと思います。
この記事のポイント
- 5月のFOMCでは0.25%の利上げが決まった。
- 声明文で「FOMCは追加の政策決定が適切になるかもしれないと予想している」という文字が消された。これにより次回FOMCでは利上げ停止の可能性が高まった。
- 既に最後の利上げが止まり、今後アメリカで景気後退が起こるなら、これから米国債の価格が上がる可能性が高い。
5月の利上げは最後になるか
5月のFOMCでどんなことが声明文に盛り込まれたか、記者会見でパウエル議長が何をしゃべったかは、既に多くのサイトでニュースになっているのでここでは割愛します。
今回のFOMCで私が大事だと思っているのでは、次の点です。
- やっとアメリカの利上げが終わったかもしれないこと
FOMC後の声明文では、前回までは「FOMCのメンバーは追加の政策決定が適切となるかもしれないと予想している」という文章がありました。
今回はこの文章がなくなり、代わりに「追加の引き締めの程度を決定する際に、FOMCは金融政策の累積効果や、経済・インフレに影響を与えるタイムラグ、経済・金融情勢を考慮する」という文言が入っています。
わかりにくい表現ですが、要するに次の6月のFOMCでは利上げが既定路線ではなくなったということです。
そして、市場の投資家はすでに利上げは終わったと見ているようです。FOMC後の市場の投資家の政策金利予想を見てみると、ほとんどは6月に政策金利維持を予想しており、ごくわずかに利下げ(利上げではなく利下げ)を予想している人も見られる程度でした。
5月4日現在の市場の政策金利予想(下図)では、既に利上げは終わってこれからしばらくすると今後は利下げが始まると予想しているようです。
次のターニングポイントは利下げ開始
長かったですが、ようやくアメリカの利上げが終わったのかもしれません。
このブログでは1月1日に上げた記事で、2023年は「インフレ低下」「利上げ停止と利下げ開始」「景気後退」が起こると予想していました。
インフレ低下は既に順調に進んでいます。そこにようやく利上げ停止が加わることになりそうです。
利上げが止まったあと、利下げや景気後退といった動きが始まるなら、米国株ではなく米国債への投資が有利なのは去年から言ってきた通りです。
>>利上げ停止も利下げも株価を上昇させるが、景気後退にはかなわない
長い間待たされましたが、ようやく米国債への投資が報われやすい環境が整ってきた気がしています。
景気サイクルの終盤ということもあって、まだ何度も波乱があると思いますが、ここから1年くらいの期間で景気後退の突入と米国債の価格上昇はかなり堅い賭けになると思っています。