私が今まで気づかなかっただけかも知れませんが、インディードのサイトに掲載されている求人数がFREDというサイトでグラフ化して見れるようになっていました。
投資家の注目は毎月1回発表されるアメリカ政府発表の雇用統計(NFP)や求人件数(JOLTS)のほうが断然高いですが、インディードのデータは週1のペースで更新されているようなので、いち早くアメリカの雇用が強いのか弱いのかを確認するには良いと思います。
この記事のポイント
- アメリカが景気後退に向かっているかを確認する意味で、雇用データを見ることは重要。
- インディードは雇用統計や求人数(JOLTS)よりも高頻度に更新されるので、雇用の変化にいち早く変化に気づけるメリットがある。
雇用データを確認する意味
アメリカがこれから景気後退に向かっていくことを想定して、今の私は景気悪化に強い米国債を多く保有しています。
アメリカの景気後退はかなり高い確率で起こると思っているので、この取引はそれほど失敗しないはずだと思っているのですが、それでも投資である以上不確実な要素はいくらでもあります。
この投資を続けていいかどうかは、「アメリカが景気後退に向かっているかどうか」が一つの判断になり、それには毎月1回の雇用統計で失業率の増加などの雇用が弱まっていることを確認することになります。
ただ、毎月1回の発表だけでは少なくないでしょうか。
そこで今までは、毎週発表される新規失業保険の申請数なども合わせて確認していたのですが、最近もう少し少し良さそうなデータを見つけたので紹介します。
インディードの求人掲載数
ここで紹介するのは、日本でもおなじみのインディードという会社が掲載している企業の求人件数です。
データは1週間ほど遅れますが、毎日の求人掲載数の推移をFREDというサイトでグラフ化してみることができます。
出典:FRED
上のグラフはこの記事を書いている時点で最新のデータを取ってきたものです。
インディードの求人掲載数は2021年末にピークをつけてから減少に転じていますが、2023年に入ってから求人掲載数の減少ペースが上がってきていることがわかります。
このデータを見る限り、2023年はまだかなり求人は多いですが、それでもアメリカの雇用や景気は一時よりもだいぶ弱まってきたように見えます。
こういう傾向が続いているうちは、アメリカの景気後退を念頭において投資をして良さそうです。
業界ごとのデータ
その他、インディードでは業界ごとの求人掲載数のデータも提供しているようなので見ていきます。
個人的に一番面白かったのは、ソフトウェア開発職の求人数の減少です。
出典:FRED
ピーク時では今の2倍ほどの求人掲載数があったのですが、コロナで増えたソフトウェア開発職の需要の火はすでに消えたようです。
また、コロナから日常を取り戻して観光レジャーの求人はまだ強いのかと思ったのですが、数字を見る限りはそれほど強くありません。
出典:FRED
反対にまだ求人掲載数は多いのは、建設業や製造業です。
出典:FRED
金利の上昇にもっとも弱そうな建設業界の求人がまだ落ちていないのは少し意外でしたが、タイムラグがあるのかも知れません。これから少し注意してみてみようと思います。
この記事では、アメリカの景気のトレンドを知る鍵を握る雇用データについて、インディードが提供している求人掲載数を見ていきました。
毎月第1金曜日の政府雇用統計と違って投資家の注目は高くありませんが、インディードのほうがデータの更新頻繁は高いのでにいち早く雇用の変化に気づけるデータになると思います。