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コンファレンスボード、2023年のアメリカ景気後退入りの予想を変えず。

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このブログでは毎月触れていますが、アメリカの景気先行指数の新しいデータが今月も公開されたので、結果を見ていきます。

今月は実は先月ほどは悪くありませんでした。それでもまだ数値は前月比でマイナス圏に沈んでいます。

最近ではアメリカの景気に強気な人が増えていますが、景気先行指数を発表しているコンファレンスボードは、相変わらず2023年は景気後退になると見ているようです。

私もその考えに同意です。ただ、今は失業者が歴史的に低い水準なので、景気後退がやってくる時期についてはまだ先のように見えます。

この記事のポイント

  • 景気先行指数は前回よりも大きく前月比のマイナス成長を縮小したが、未だにマイナス圏が続いている。
  • 景気先行指数がもしも今回で底打ちしたとしても、景気がすぐに底打ちするわけではない。
  • コンファレンスボードは2023年のアメリカ景気後退入りの予想を変えなかった。ただ、失業率は低いので景気後退は近くなさそう。

景気先行指数が下げるペースは緩やかになったが

景気先行指標は、今後の景気を左右するいくつかのデータ(ISM製造業の新規受注、アメリカでの建築許可数、新規失業保険申請件数など)を組み合わせた上に、株価・金利などを反映して「今後のアメリカの景気の強さ」を数値化したものです。

景気先行指標は前月比でマイナスになると(前月よりも悪化すると)良くない結果と見ます。そして、1月のアメリカ景気先行指数も安定してマイナスの状態が続いています。

  • 予想:前月比マイナス0.4%
  • 結果:前月比マイナス0.3%(前回マイナス0.8%)

良かった点としては、前回12月分に比べるとマイナス幅が減少したことです。

ただ、景気先行指数のマイナス幅が減少したことと、アメリカの景気が底を打ったかどうかは別問題です。

名前に「景気先行」と書いてあることからもわかるようにこの数字は景気よりも早めに動くので、もしも(たぶんないとは思いますが)景気先行指数が今回で底打ちしたとしても景気の底打ちはまだ先になりそうです。

例えば、以下のグラフは景気先行指数(青線)と実質GDP成長率(灰色線)の関係を示したものですが、2000年のITバブルの時期は景気先行指数(青線)が下げ止まってから、実質GDP成長率(灰色線)が低下して景気後退に入っています。

2023年は景気後退が起こるだろうがまだ遠い

最近、アメリカの経済に強気な人が多くなったのを感じますが、今回あらためて景気先行指数を見ていると2023年はやはり景気後退になるのではないかと感じます。

先程のグラフをもう一度よく見てみると、これほどまでに景気先行指数(青線)が下がっていたときは、過去にいずれも景気後退(グレーの時期)を経験しています。

景気先行指数の発表元のコンファレンスボードも次のように言っています。

景気先行指数は景気後退のシグナルを出しているが、雇用や時給などの労働市場に関連するデータは今のところ堅調そのものです。それでも、高いインフレ率、引き上げられる金利、縮小する個人消費の影響を受けて、2023年のアメリカは景気後退になるだろうとコンファレンスボードは考えています。

景気後退が来るとしても、問題はいつ来るのかです。

恐らくですが、これ以上景気先行指数を眺めても景気後退の時期について答えは出ないと思われます。

前日に発表された新規失業保険申請件数を見ると、新規の失業者はまだかなり低いことから、「景気後退はまだまだ遠そうだ」とは漠然と考えています。


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