アメリカの景気後退までにはまだしばらく時間がかかると思いますが、景気後退(リセッション)が起こることを疑ったことはほとんどありません。
ここで取り上げる景気先行指数という数字を私はかなり重く受け止めていて、この数字が景気後退のシグナルを発したら、過去に何度もその通りに景気後退が起こっています。
昨日発表された12月の景気先行指数を見ても、前月からさらに悪化が続いているので、アメリカの景気後退を疑っておいて良さそうです。
この記事のポイント
- 12月の景気先行指数は予想よりも悪かった。
- 過去半年の景気先行指標の落ち込み方を見ると、過去にすでに景気後退に入っている水準にまで下がっている。
- 今回は雇用が強く個人のクレジットカードの残高もまだ積み上げられることから、すぐには景気後退にはならないが、景気後退が起こらないシナリオはメインにはならない。
さらに悪化したアメリカ景気先行指数
カンファレンスボードという組織は、今後のアメリカの景気の先行きを数値して毎月「景気先行指数」として発表してくれています。
この指数は過去の景気後退を正しく予知できていたことから、この数字が悪化することに私は特に注意を払っています。
昨日発表された数字を確認してみると、今月も予想よりも数字が悪化していることが確認できました。
- 予想:-0.8%
- 結果:-1.0%
- 前回:-1.0%から-1.1%へ下方修正
次のグラフは、過去6ヶ月の景気先行指数の成長率(年率)を示したものですが、最近6ヶ月の景気先行指数の落ち込み方は過去の景気後退突入時と同程度にまでなっています。
景気先行指数だけみるなら、そろそろ景気後退になってもおかしくない水準だと言えます。
カンファレンスボードも次のようなコメントを残しています。
アメリカの景気先行指数は再び12月に急落し、近いうちにアメリカ経済がリセッションになるというシグナルを発している。12月の景気先行指数は労働市場、製造業、不動産、金融がこれから先に幅広く弱まることを示している。
(中略)
経済全体の活動は、2023年の第4四半期で再び持ち直すまでに、これから数四半期のマイナスに転じる可能性が高い。
最近のブログで書いてきたように、個人的な意見では今のアメリカはまだ雇用が強く個人のクレジットカードの残高もまだ積み上げられることから、景気後退まではまだ数ヶ月から半年くらいの猶予がある気がしているのですが、2023年にアメリカで景気後退が起こることはメインシナリオにおいていいと思っています。