コンテンツへスキップ

FRBの声を聞かなくなった市場

  • by

この1年間は市場の政策金利予想はブレブレでした。

ちょうど1年前に市場は2022年末の政策金利は0.75%〜1.00%だと予想していたのに、それが最終的に4.25%〜4.50%にまで引き上げられたのですから、市場の投資家はインフレのデータとFRB高官の発言に振り回されながら予想を引き上げて、ほとんど何も予見できていなかったと言われても仕方ありません。

しかし、最近の市場は少し様子が変わってきました。

FRB高官たちがどんなに「2023年に5%超えの政策金利になる可能性がある」と言っても、金利予想を5%超えに引き上げなくなっています。

どんな確信を持っているのかわかりませんが、今後市場の予想はどうも堅いようです。そして、この市場の予想は恐らくあっているのではないかと私は思っています。

 

この記事のポイント

  • 市場の投資家は、FRB高官が考えているよりも低い2023年の政策金利を予想している。
  • FOMCやFRB高官の発言で市場予想よりも高い政策金利見通し再三示しても、市場は頑なで意見を変更していない。
  • 個人的には、今回の予想は恐らく市場が正しいとみている。

FRBの声をきかない市場

FOMCに参加した大半のメンバーが2023年は5%超えの政策金利になる見通しを持っているというデータが示されたのに、それでも市場の投資家は5%超えにはならないと予想しているという記事を書きました。

>>市場「2023年にアメリカの政策金利は5%を超えない」

この記事の後に、FRB高官の何人かが「市場の予想は間違っている」と言わんばかりに、インフレ退治の道のりは長いと発言をしています。

>>NY連銀総裁、労働市場の逼迫が利上げ正当化-5.1%超える可能性も

>>FRB、見通し上回る水準まで金利引き上げる必要も=クリーブランド連銀総裁

それでもなお市場は頑なに予想を変えていません。12月18日になっても、2023年の政策金利は5%超えはないと言っています。

5%を超えないと考える根拠はなにか

さて、市場が政策金利予想に自信を深めているのはなぜでしょうか。

2023年に景気後退があると思っているからでしょうか。この可能性はあります。

NY連銀のモデルによると2023年10月に景気後退に入っている確率は38%になっており、これは2020年のコロナ不況や、2007年からの世界金融危機と同じレベルにまで上がっています。

景気後退があるなら、モノやサービスの需要は減少してインフレは低下するはずで、そうなるとインフレ退治のための政策金利の引き上げは不要になるはずです。

もしくは景気後退にならなくても市場が2023年のインフレ率低下を強く予想している可能性もあります。

このブログでも、「住居費」の項目が2023年後半に急低下して、2023年の消費者物価は低下すると予想しています。

>>2023年後半にアメリカの消費者物価は大きく低下する

現時点ではFRBと市場で見通しが食い違っており、どちらかが正解でどちらかが間違っているようです。

FRBに逆らう予想をするのは好きではないですが、私は今回はFRBが間違っていて、市場が正しい気がしています。既に上に書いたように2023年に景気後退の高い可能性を示していて、2023年に限ってはインフレも落ち着くような兆候が見られています。


本ブログからのお願い

この記事は、読者が自由に記事の金額が決められるPay What You Want方式をとっています。

「役にたった」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、YUTA'S INVESTMENT TICKETをクリックして、価値に見合った金額をお支払い下さい。

価値がないと思った場合には、お支払いは不要です。同じ記事を読み返して、新しい気づきがあった場合には、1人で何回クリックしても問題ありません。