このブログではアメリカの景気後退が近づく時期だけ、景気先行指標というデータを見るようにしています。
このデータでアメリカの景気後退のサインが点灯すれば、半年後に高い確率で景気後退に突入することがわかるからです。
一ヶ月ほど前に既に景気後退後退のサインが出ているのですが、先日8月分のデータが発表されて前月分のデータとともに景気後退のサインも確定しました。
この記事のポイント
- 8月の景気先行指標のデータが公開された。5ヶ月連続でマイナスを記録した。
- 前月までのデータが確定して、景気後退のサインも確定した。
- 2022年内にアメリカが景気後退になる確率が67%、2023年1月までに景気後退になる確率は87%になる。
8月のアメリカ景気先行指標
8月の景気先行指標のデータが発表されたので、結果を確認していきます。
- 結果:前月比マイナス0.3%(予想:0.0%)
- 前月:前月比マイナス0.4%からマイナス0.5%に下方修正
景気先行指標はマイナスが続くとアメリカの景気先行きが悪いことを意味するのですが、これで5ヶ月も連続してマイナスが続いてしまいました。
マイナスの結果がどれだけ続くとまずいかについては、次のデータが目安になると思います。
米景気先行指標と景気後退
- 1959年以降、3ヶ月連続で前月比マイナスを記録した12回のうち8回で、半年以内にリセッション(67%)。
- 1959年以降、4ヶ月連続で前月比マイナスを記録した8回のうち7回で、半年以内にリセッション(88%)。
このデータを信頼するなら、2022年内にアメリカが景気後退になる確率が67%、2023年1月までに景気後退になる確率は87%になるようです。
景気後退による影響
景気後退になれば何が起こるとかというと、企業の利益が大きく減少することになります。
景気後退の規模によって一株利益の減少幅は大きく異なるのですが、1957年以降の過去10回分のS&P500の一株利益の減少は平均して29.5%です。
実際にこれと同程度の株価下落は起こるとは限りませんが、理論的には(PREが一定ならば)一株利益が減少した分だけ株価は下がることになります。
先週Refinitivが発表したアナリスト予想による今後12ヶ月の企業利益予想を見てみると、先週1週間はわずかに下がっていました。
しかし、それでもまだ一株利益予想はピークから4%下方修正されたに過ぎません。
恐らく半年以内に企業利益は急低下するはずなのですが、企業予想にはそれが織り込まれていません。
景気先行指標の通りに年内か年始にアメリカが景気後退になるなら、早ければ10月から12月の業績が発表される23年1月の決算シーズンで企業利益の低下が見え始めるかもしれません。
来月10月の6-9月期の決算発表では大きな市場の混乱はまだないと思っていますが、今後の業績予想が低下していないかは少し気を配っても良さそうです。