昨晩、アメリカのGDPの発表がありました。
1-3月期に続いて、4-6月期も実質GDPがマイナス成長になったので、これでアメリカはテクニカル・リセッション(テクニカルな景気後退)に入ったことになります。
この記事のポイント
- アメリカは2期連続で実質GDPマイナスの成長率になり、テクニカルなりセッションに突入したことがわかった。
- テクニカルなリセッションはアメリカの正式なリセッション(景気後退)とは違う。
- しかし、テクニカルなリセッションになって正式な景気後退と認められなかったことは過去70年間なかった。
テクニカル・リセッション入りしたアメリカ
多くのエコノミストはアメリカの4-6月期のGDPは実質でプラス成長を維持しているはずだと言っていたのですが、残念ながら結果はマイナス成長となりました。
- 予想:前期比年率+0.4%
- 結果:前期比年率マイナス0.9%
1-3月期に続いて、2期連続のマイナス成長です。
マイナス成長が2期連続で続くと、テクニカルなリセッション(景気後退)と呼ばれるので、これでアメリカは景気後退に入ったことが確認されました。
正式なリセッション(景気後退)の認定はまだ
これに対して、アメリカの正式なリセッションではないという反対意見はあります。アメリカの正式なリセッションはNBERという組織が決めているもので、テクニカルなリセッションとは少し異なります。
しかし、正式なリセッション入りが宣言されるのは普通は1-2年後です。それだけ時間がかかってしまうものなので、正式リセッションの発表を待っている投資家は誰もいません。
そして、テクニカルなりセッションになっても正式な景気後退と認められないことは、ほとんどありません。
過去のデータを見ると、テクニカル・リセッションでも正式な景気後退と認められなかったことは1947年まで遡らないといけないようです。
なので、正式なリセッションかどうかを気にする必要はないと思います。
底はまだ訪れていない
リセッションになるかどうかの話は、これでもう決着が着きました。次は株価の底値はどこになるのかの議論が必要になります。
もちろん、既に6月中旬で米国株は底をつけたパターンも可能性はゼロではありませんが、ほぼないと思います。
アナリストたちが予想している2023年の企業利益こそ最近は1%ほど低下しましたが、2022年はほぼ無傷です。景気後退になれば企業利益は15%くらい下がっても不思議ではないので、景気後退による株価の下落はこれからやってくるのだと思います。