最近は、米国株が上昇しています。
私はとしては安全に投資できる時期が早く来てほしいので、まずは思いっきり下がってほしいところなのですが、株価が思惑と違う動きをしていてもどかしい感じです。
最近の株価の上昇の背景にバンク・オブ・アメリカが発表したデータがあると頻繁に耳にするので見てみました。
しばらく眺めた結果、(わたしなら)今はまだやはり株を買わなくて良さそうだという結論に至りました。
この記事のポイント
- バンク・オブ・アメリカが毎月発表しているファンドマネージャー(投資家)調査では、リーマンショックの頃よりもリスク回避に動いていることがわかった。
- しかし、上記データは株価の底を言い当てるには精度が低い。
- また、景気後退が起こると思っている投資家の割合もまだ増加する余地がある。これから先に今以上に悲観的な状況がやってくる可能性がある。
ファンドマネージャーのリスク
今週バンク・オブ・アメリカが発表したデータですが、次のブルームバーグの記事でわかりやすくまとめてあります。
>>投資家は完全降伏、リスク回避は金融危機時以上-BofA調査(ブルームバーグ、22年7月19日)
発表されたデータの中で、鍵を握っているものは2つあるようです。
まず、1つ目は「通常よりもリスクを取っているか」の質問をした結果、ファンドマネージャー(投資家)はリーマンショックの頃よりも今はリスクを取っていないことがわかりました。
投資の世界では「誰もが悲観的になっているなら、それ以上は株価が下がることはないから買い」と判断することが多いです。
上の図を見て、今はリーマンショック時以上の買いのチャンスが来ていると考えた投資家が多かったのか、今週になって米国株が買われたと言います。
リスクの底は株価の底ではない
ひとつ疑問なのですが、上のグラフは本当に株価の底値を言い当てているのでしょうか。
上のグラフで2008年10月にファンドマネージャーのリスクが底をつけていますが、これは2009年3月にS&P500の株価が大底をつける5ヶ月も前の事になります。
もしも、ファンドマネージャーがもっとも弱気になった2008年10月に株を買っていたら、その株は最安値で約20%下落することになります。
ファンドマネージャーの景気後退予想
ブルームバーグの記事にはもう一つ気になるデータがあったので、以下のグラフも見てみたいと思います。
こちらはファンドマネージャーがアメリカで景気後退は起こると考えている人の割合(Yesの回答からNoの回答を引き算した割合かもしれません)ですが、こちらは先程と違って株価の底値をほとんど言い当てています。
しかし、現時点(2022年7月)ではまだ景気後退だと思っているファンドマネージャーの数が、リーマンショックやコロナショック時に比べて少ないです。
これを見ると、これからファンドマネージャーたちは更に悲観的になる恐れがあるので、まだ株価は底を打っていないのではないかと思います。