今日は普段はあまり取り上げない懐かしい数字を見ていきたいと思います。
アメリカの景気先行指標というものです。4月分の結果が公開されましたが、結果は良くなかったです。
この値が3ヶ月マイナスが続くと半年以内に景気後退になる確率がぐっと高まるので、これから数ヶ月は少し注目してみてみようと思います。
この記事のポイント
- 4月のアメリカの景気先行指標が発表されたが、結果は予想よりも悪く前月比でマイナスを記録した。
- 3ヶ月連続で前月比マイナスを記録すると、高い確率で半年以内に景気後退に陥ることが分かっている。
良くなかったアメリカ景気先行指標
さまざまな経済指標の4月分が既に発表されましたが、その大部分は「アメリカの景気は一時期から比べるとだいぶ弱まったけど、それでもまだ景気拡大を続けている」という状況を示しています。
ただ、今は良くても今後のアメリカについては私はかなり悲観的に見ています。
>>予想以上の経済指標がいくつ出てきても、今後のアメリカの景気悪化はかなり堅い。
今後のアメリカの景気について、ちょうど昨晩アメリカの景気先行指標の発表があったので、結果を見ていきます。
米景気先行指標
- 予想:前月比+0.3%
- 結果:前月比マイナス0.3%
- 前回改定値:0.3%から0.1%に下方修正
事前のエコノミストの予想が前月比プラス0.3%ののところ、結果はマイナス0.3%と残念ながら大きく下振れました。
この結果がマイナスになるのは一時的ならまだ許されますが、3〜4ヶ月続くとまずい展開になります。
景気後退までのカウントダウン
この景気先行指標のマイナスが続くようになると何がまずいのかというと、その後しばらくして高い確率で景気後退(≒不況)になってしまうことです。
景気後退になるなら株の下落率はより大きく長期化することになるので、投資家としては避けたいところです。
アメリカの景気先行指標と景気後退について調べていくと、次のようなデータが見つかります。
米景気先行指標と景気後退
- 1959年以降、3ヶ月連続で前月比マイナスを記録した12回のうち8回で、半年以内にリセッション(67%)。
- 1959年以降、4ヶ月連続で前月比マイナスを記録した8回のうち7回で、半年以内にリセッション(88%)。
3ヶ月連続で景気先行指標が前月比マイナスを記録すると、半年以内に景気後退になる確率は約70%。4ヶ月連続なら約90%で半年以内に景気後退になっています。
3ヶ月連続なら黄色信号、4ヶ月連続なら赤信号という感じです。
ただ、今月発表された景気先行指標はマイナスでしたが、前月はプラス0.1%だったので2ヶ月連続にもなっていません。
景気がそこ良くても1ヶ月だけマイナスになることもあるので、まだ焦らずに様子を見ていけば良いと思います。
大事になってくるのは来月発表のデータです。もしも2ヶ月連続でマイナスを記録するようなら、景気後退確率70%の黄色信号点灯にリーチがかかります。
現時点ではかなり確率は低いと思っていますが、もしも今後2ヶ月分のデータもマイナスで黄色信号が点灯するようなら、2022年内の景気後退も警戒する必要が出てしまいます。