年初に書いたように、今年は長期金利が重要なカギになっていると思います。
>>長期金利の行方が今まで以上に重要になる年(22年1月4日記事)
その長期金利にも間接的に影響を与える政策金利の引き上げ(利上げ)ですが、少し目を話している間に、また市場の投資家が今後の利上げ予想を引き上げたようです。
この記事のポイント
- この時点を書いている時点で、市場は2023年5月までにアメリカの政策金利が3.50%まで上がると予想している。
- 現時点では、2018年12月に2.25%-2.50%まで利上げした前後で株価が大きく下落した。
- 2022年は2018年GDP成長率が低いと見られている上に、既に4月時点で10年米国債の利回りも高い。個人的には2022年内まで株価や景気が持つか心配してる。
市場の投資家の間でさらに強まる利上げ予想
金利先物市場でアメリカの利上げの予想が強まる様子がまた見られます。
2021年の終わり頃から約半年ほどこの現象がずっと続いていて、この記事を書いている時点で、投資家たちは2023年7月までにアメリカの政策金利が3.50-3.75%に上がると予想しています。
グラフを作る際に手元に残ってるファイルを見ていたら、今から4ヶ月前の市場の利上げ予想のデータがあったのですが、この数ヶ月で比較してみると利上げ予想が大幅に強まったことがわかります。
個人的には解せない市場の利上げ予想
今のアメリカが一気に利上げしないといけない理由は、40年ぶりに強まっているインフレを抑えるためです。
今週はアメリカの3月の物価のデータが発表されますが、この月はウクライナ戦争の影響を受けて前月よりも更に物価の上昇が強まると見られているので、この動きを抑えるために一層の金利上昇が必要がなのはわかります。
これほどの金利上昇が必要なのはわかりますが、個人的に気になっているのはアメリカがこの政策金利の上昇に耐えられるかです。
2018年よりも弱い経済
正直に言うと、経済も株もこんな大きな利上げに耐えられると私は思っていません。
前回の利上げは2018年12月まで続き、この時は2.25%-2.50%まで政策金利が引き上げられましたが、この2018年は比較的景気が良い年でGDPは+3.0%/年で伸びていました。
しかし、FRBの予想では2022年のアメリカの経済成長は+2.8%、2023年は+2.2%になると言われており、2018年よりも景気が弱いのに当時よりも強い利上げをしようとしています。
利上げをすれば当然景気が冷えるのですが、これではアメリカ経済は耐えられないのではないかと思います。
金利が上昇している時に株価が上昇するためには企業が利益を積み上げる必要がありますが、景気が弱まってくれば利上げも上げられず株価にブレーキがかかり、(今すぐではないものの)2022年内にも20%超えの大きな下落が始まっても不思議ではない気がしています。
というわけで、私個人の意見としては今の市場の金利予想は高すぎると思っています。
でも、私よりもずっと賢い市場の投資家たちがそう言っているのなら、(まだ納得はできていませんが)2023年に3.50%まで金利上昇が続くことも頭に入れておこうと思います。