マスターカードの2021年10-12月期の決算発表があったので、振り返っていきます。
今期もこの会社の業績はもちろん良かったです。
マスターカードもとっても良い会社で長期投資に向いていると思うのですが、2021年1月現在は米国株で長期投資をするのは難しい時期なのでマスターカード株の保有は私はあまり考えていません。
それでもマスターカードは世界中に幅広く使われているので、世界の消費の傾向を把握を把握して投資のチャンスを探るためにもここの決算を見ておいて損はないと思います。
今回マスターカードがコメントした点で気になったのは「海外旅行は今年のうちに(コロナ前の)2019年のレベルに回復する」、「新型コロナ対応で欧米に遅れたアジア太平洋地域では、2022年も景気が回復する」という点です。
2022年の投資のチャンスは「海外旅行関連」と「アジア太平洋」にある気がしています。
この記事のポイント
- マスターカードの2021年10-12月決算は、売上も一株利益も予想を上回る好業績だった。
- 海外旅行の需要は22年末までに2019年のレベルに回復するとマスターカードは見ている。
- また、欧米よりも新型コロナウイルスの対応で遅れたアジア太平洋の景気が2022年に回復する模様。
好調だったマスターカードの決算
まず、マスターカードの業績を簡単におさらいしておきます。結果は良かったです。
- 売上:$5.2B(前年比+26%、予想5.17B)
- 一株利益:$2.35(前年比+43%、予想$2.21)
マスターカードは毎回安定してアナリスト予想を上回る決算を出しています。過去数年を振り返っても、予想を下回る決算を出したのは2021年第3四半期くらいです。
売上も順調に回復しています。最近は前年比で+30%前後の高い成長率が続いています。
高い売上成長率に支えられて、営業利益も良い感じに伸びています。
マスターカードは全体的に今は良い感じです。
これでけ業績が良いのは新型コロナウイルスの低迷からの回復時期にあるからなのですが、今回の決算で発表された2022年〜2024年の営業目標を見てみると、今後もそこそこ安定した業績が見込まれているようです。
2024年まで一株利益で年率+20%台を目指すというのは、かなり魅力的です。マスターカードの株価が大きく下がる場面があったら、再び投資を検討したいと思います。
決算で気になったこと
冒頭でも言ったとおり、マスターカードは買い物データを通じて世界中の景気を見れる企業なので、今回も決算では興味深い話がいくつか聞けました。
気になった点をあげておきます。
- 最近は新型コロナウイルスが急拡大しているが、これらがピークに達している兆候が見られる。
- 海外旅行はオミクロン株の流行の影響は受けたが今後も回復は続き、今年終わりまでに2019年のレベルに戻ると見られる。
- アジア太平洋地域ではワクチン接種率の改善が見られ、2022年に景気回復が加速する見込み。特にアジア太平洋の海外旅行に大きな成長の可能性がある。
新型コロナウイルス(オミクロン株)のピークについては、Visaやデルタ航空の決算でも既にピークをつけつつあるという話がありましたが、やはりマスターカードでも同じことを言っています。
これにより良い影響が見られるのは、やはり国外旅行です。
マスターカードは「2022年末までに国外旅行(cross-border travel)が、コロナ前の2019年のレベルまでに戻ると信じている」と言っており、このあたりに投資の旨味がありそうです。
また、マスターカードの発言で気になったのは、アジア太平洋の景気回復です。マスターカードによればアジア太平洋はワクチンの接種も進み2022年に景気回復を加速させると言います。
つい先日、2022年の世界経済の見通しを発表したIMFのデータを見てみると、景気を加速させる地域は東南アジア・中央アジア・中東、2021年の高成長が2022年も維持できるのがインドのようです。
(※ちなみに中国は2022年は景気が大きく鈍化し、2023年はそこからの回復が見込まれています。)
「国外旅行」と「アジア」は2022年の投資アイディアとして少し頭に入れておきたいと思います。