最近、毎日80万人が新たに感染していたアメリカの新型コロナウイルスですが、ようやくピークをつけた模様です。
S&P500などの米国株の株価指数は今回のオミクロン株の感染拡大でたいして下落をしなかったので、コロナが収束をしても株の上昇につながらないと思いますが、一部の銘柄は別です。
航空、クルーズ、テーマパークなどの旅行レジャー関連の銘柄はこれから大きな業績回復が見込めそうです。
この記事のポイント
- アメリカではオミクロン株による新型コロナウイルスの感染拡大がピークを迎えた模様。
- オミクロン株が収束してもS&P500などの株価指数が上昇する余地はほとんどないが、コロナで利益が悪化していた企業は今後大きな業績回復が見込める。
アメリカでの新型コロナウイルスの収束
先週、デルタ航空の決算で「あと数日(next few days)」でアメリカの新型コロナウイルスの変異株の感染拡大が収まり、急速に収束に向かうという発言がありました。
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「あと数日」でピークだと言い切るあたり、かなり強気な発言だなと思ったのですが、それから数日たって実際にアメリカの新規感染者数をみると確かにピークをつけているように見えます。
アメリカ全体ではわかりにくいのですが、例えば今回も比較的早くから感染が広がったニューヨーク州の新規感染者数を見ると、ピークを過ぎたことがよりハッキリとわかります。
今後は南アフリカやイギリスのように急速に感染者減少へ
ニューヨーク州よりもさらに早く感染の広がった南アフリカやイギリスを見てみると、オミクロン株による感染拡大は急速に広がる一方で、ピークをつけた後に急速に感染者が減少するようです。
おそらくアメリカもこれらの国と同じように感染者が急減するはずです。
新規感染者の減少による影響
さて、投資家のほとんどが新型コロナウイルスの感染者数に興味を失っている中で、感染者数が減ってきたからといって投資の何が変わるのでしょうか。
冒頭でもお話したようにS&P500の株価はほぼ何も影響を受けないと思います。
(S&P500に大きく組み込まれているアップル、マイクロソフト、アマゾンなどはコロナの流行で需要が増えていたので、もしも新型コロナウイルスが収束に向かうならS&P500にごくわずかなマイナスの影響すらあるかもしれません)
インデックスに投資している人には関係のない話なのですが、個別株でチャンスを伺っている人にはオミクロン株の収束は投資のチャンスでもあると思います。
例えば、航空会社ではパイロットや客室乗務員などのスタッフがオミクロン株に感染した場合、軽症であっても代わりの人員を確保したり、飛ばす飛行機のスケジュールや機体をすぐに変更して急いで整備や清掃したりと追加のコストが発生して利益を圧迫したと言います。
航空やレジャーなど新型コロナウイルスの影響を大きく受けた企業はただでさえ利益率が低い企業が多い傾向がありますが、今までその少ない利益をコロナが削って大きな利益減少が起こっていました。
2022年はアメリカ全体で景気拡大のスピードが鈍化すると言われていますが、新型コロナの感染が落ち着けば旅行・レジャー関連の銘柄は利益を急拡大できる数少ない企業になりそうです。
今までも航空などの旅行・レジャー関連銘柄はチャンスがあると言ってきましたが、今は利益が成長できる環境が整ってきたので、投資のタイミングとして良い時期に来ていると思います。