12月のアメリカの消費はかなり低調なスタートだったようですが、それからクリスマスにかけて消費の勢いは回復したようです。
マスターカードが12月24日までの決済データを公開しているので、この記事で少し見ていきたいと思います。
この記事のポイント
- 12月の上旬のアメリカの消費はかなり低迷していたが、クリスマスまでに消費は復調した模様。
- マスターカードが発表したデータでは、11月1日から12月24日までのホリデーシーズンの売上は前年比+8.5%上昇した。物価上昇が6〜7%だったとしても、実質的に数%は成長した。
- 高いインフレ率は続いているが、まだ米国経済は成長している。ただ、インフレを除いた実質成長率はかなり低下している。
復調を見せたホリデーシーズンのアメリカの消費
先日、12月のアメリカ消費はかなり低調なスタートになっているという記事を書きました。
JPモルガン・チェース銀行によると12月初旬のクレジットカードの利用は、前年2020年やコロナ前の2019年よりもペースが悪いということだったのですが、それからクリスマスにかけてはアメリカの消費は少し復調した模様です。
マスターカードが公開した11月1日から12月24日までの小売売上を見てみると、前年2020年よりも8.5%上昇し、これは2019年と比べると10.7%も高かったようです。
ホリデーシーズンの小売売上の数字の見方
前年よりも8.5%上昇したとなれば普通ならばかなりの好景気なのですが、私の見方が間違っていなければ恐らくこれはインフレ調整前の数字です。
今のアメリカの消費者物価は前年に比べて6%〜7%近く伸びていることを差し引くと、今年のホリデーシーズンは実質で1.5%から2.5%の経済成長が見られたことになります。
11月の個人消費がインフレを差し引いた後に(実質で)ほぼゼロ成長だったことを考えると、12月は復調したと言えますが2021年に見られた絶好調の景気に比べると少し成長が鈍化した印象があります。
>>【関連記事】インフレを除くとほぼゼロ成長だった11月のアメリカの個人消費
さいごに
この記事では、12月のアメリカの消費について書いていきました。
少し前にJPモルガン・チェース銀行から発表された数字では、12月初旬のアメリカの消費の出だしが悪くて景気を心配しましたが、それからクリスマスにかけて景気は復調したようです。
ただ、売上の伸びの中に物価の上昇によるものを差し引くと、アメリカの実質成長率は既に鈍化を始めているように見えます。
インフレ以上に売上が伸びているのでまだ株を売るタイミングではないと思うのですが、2022年に入って2021年に見られた消費の勢いが失われていければ、だんだんと売りどきを考える投資家も増えるのだろうと思います。