昨日の記事では、11月のアメリカの小売の売上がさえなかったという話をしました。
>>低迷した11月のアメリカの小売売上、今景気サイクルのピークは過ぎたか。
一方、投資家が今気になっているのは12月です。
すでに12月も半月が終わりましたが、12月上旬のアメリカの消費はそれほど良くない数字が上がってきているようです。
少し前まで10-12月のアメリカは景気がまだまだ強いものだと思っていたのですが、やや雲行きが怪しいです。
この記事のポイント
- 感謝祭の11月末の祝日から12月初旬にかけてのJPモルガンのクレジットカードによる購入のペースは、2020年や2019年を下回っている模様。
- 12月の残り日付で購入ペースが大きく伸びる可能性は十分あるが、このままでは12月の消費は低調に終わる恐れがある。
不調な出だしだった12月のアメリカの消費
今月のアメリカの消費は出だしが不調だった模様です。
全米でクレジットカードを数多く発行しているJPモルガン・チェース銀行によると、11月末から12月初旬にかけてのクレジットカードによる購入ペースは2020年や2019年を下回る低調ぶりだったようです。
感謝祭の祝日から12月初旬にかけてのクレジットカードによる購入のペースは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が影響した2020年とコロナ禍前の19年の両年よりも遅いと、JPモルガンは指摘。同行エコノミストのダニエル・シルバー氏はこうした状況を踏まえ、12月の小売売上高統計は「低調」な内容になる可能性が高いと指摘した。
JPモルガンの話ではどうも新型コロナウイルスの変異株(オミクロン株)が、消費が伸びない原因になっている可能性があるとのことです。
たしかに、アメリカで新型コロナウイルスの新規感染者が最も増えていた2020年10-12月を見てみると、たしかに小売売上は低迷していたので、今回も同じようなことが起こっている可能性はあります。
もしくは今年はクリスマス商戦を前倒しされたり、クリスマス・プレゼントになるような商品に供給遅延が起こっていて店頭が品薄になって売上が伸びていないことも原因になっているかもしれません。
また、昨日の記事にも書いたようにアメリカ人の貯蓄がそろそろ余裕がなくなり、景気が息切れしているのではないかとも疑っています。
気になる12月の低迷の大きさ
JPモルガンの話の中で、私がイマイチわからないのは12月の低迷の大きさです。
今年の11月末から12月初旬のクレジットカードの利用が20年や19年よりも悪いという話だったと思いますが、私の理解が間違っていなければ、かなりの大きく低迷してしまったなという印象です。
今年は3月から景気がかなり良く、小売売上高は前年に比べて20%以上も多く売れた月も見られるほど好調が続いていたはずです。
以下は、JPモルガンではなくVisaの決算資料からとってきたカード利用金額のデータなのですが、これを見てもアメリカでのクレジットカード利用金額は2019年比で+20%を超えていました。
それが、11月末から12月の初旬までの短期間とは言え、2020年や2019年を下回るとなると12月の前半はかなりの低迷したように見えてしまいます。
12月の残りの日々で消費が息を吹き返す可能性もあるのでまだ様子見をしたいと思いますが、低迷の規模が少し気になるニュースでした。