新型コロナ流行後から米国株は低い金利を背景に上昇を続けてきましたが、この低金利が終わる時期の予想が早まっているようです。
市場の投資家の予想では、利上げ時期はついに2022年5月にまで早まってしまいました。
これは米国株にはマイナスです。
来年5月に利上げが始まったとしても、直ぐに米国株が下落するわけではありまえせんが、ほとんど何も考えなくても米国株への投資で利益が出るボーナスタイムの残り時間はかなり少なくなったと思います。
この記事のポイント
- 2-3ヶ月前まで2022年末の利上げ予想だったが、予想が繰り上げられて、ついに2022年5月にまで早まった。
- 利上げ後すぐに米国株が下落するような展開になるとは思わない。しかし、過熱するインフレを抑えるために利上げが必要になっている。
- この状況はゆっくりと利上げができた2015年から2018年までは違う。高いインフレが続けばすばやい利上げが必要になり、米国株が脅かされる。
ついに5月にまで早まった利上げ予想
ほんの2-3ヶ月前までは2022年は利上げがあっても年末だろうと思われていたのですが、市場の投資家による利上げ時期の予想はどんどんと早まっています。
次のグラフはこの記事を書いている時点で最新の利上げ予想ですが、投資家の大半が2022年5月までに利上げすると考えていることがわかります。
利上げ予想が早まる背景にあるインフレ
利上げを急ぐべきだと投資家たちが考える理由は、アメリカで上昇を続けているインフレを抑えるためです。
記録を振り返ると、1970年代のアメリカでは年5%を大きく超える大きな賃金上昇が毎年のように起こって、10年以上も高いインフレに悩まされました。
2021年の賃金上昇はまだ1970年ほどではありませんが、上昇傾向が続いてます。
このままでは1970年と同じ展開になりかねないと警戒しているのか、投資家たちは景気を冷やすために早めの利上げ必要と考えているようです。
2015年から2018年の利上げ時期とは状況が違う
以前このブログでは、利上げが始まっても数年は米国株が下落しないという記事を書きました。
>>最初の利上げから景気後退までの期間は、思っているよりも長い。
今回も、利上げが来年22年5月に始まっても直ぐに米国株が下がるわけではないと思います。
しかし、気をつけたいのは「2015年から2018年まで続いた利上げ時期」と、「来年2022年から始まる利上げ時期」では状況が違うので、今回は数年も待たずに米国株が大きく下落するが来る気がしています。
前回の利上げは2015年12月に始まりましたが、インフレは低く抑えられていたので景気が力強くなるまでじっくりと待って利上げをすすめる余裕がありました。
以下のグラフを見ると2015年12月の利上げ開始から、次の利上げをするまでに1年近く時間があったことがわかります。
一方で、今回は高まるインフレを抑えるために、早急に利上げを進める必要があるので2015年の利上げ開始時のような余裕はありません。
22年5月に利上げを始めたら、数ヶ月おきに利上げを次々と進めることになるはずです。
私だけではなく、市場の投資家もそのように予想しています。
利上げ開始直後はまだ米国株は大きな下落をしないとだろうと思うし、2022年までに3回の利上げならまだ米国株も大きく下落せずに耐えられる気もします。
しかし、今後のインフレが高まって2022年の利上げのペースが4回や5回と早まるようなら、2022年後半の米国株の株価はかなり危うくなるとも思います。