アップルの決算発表がありましたが、結果は良くなかったです。
前回の決算記事でも触れたように、部品などの供給の問題が響いたのか、iPhoneの売上は予想に届きませんでした。
新型iPhoneの売上が上がってくる重要な10-12月期については、ティム・クックCEOは問題ないと言っているようですが、今期の売上が予想を下回ったことで株価は素直に下げています。
この記事のポイント
- アップルの売上は前年比+29%で高い伸びを見せているが、事前のアナリスト予想に届かなかった。
- 予想を下回ったのは、主にiPhoneの売上が伸びなかったため。前期の決算から懸念されていた部品などの供給の問題が響いた模様。
- 個人的に気にあっているのは、2022年のアップルの成長率。今年の好調の反動もあって、かなり低い成長率が予想されている。
予想に届かなかった売上
アップルの売上は前年比で依然として高い成長率は続いていますが、予想には届かなかったようです。
- 売上:$83.36B(前年比+29%、予想84.45B)
- 一株利益:$1.24(前年比+70%、予想$1.24)
最近の売上成長率のグラフを以下に載せますが、最近は以前に比べると成長率が下がっています。
前年同期はiPhone販売が遅れた影響で売上+1%成長と低迷していた時期だったので、今期は高い成長率が出しやすかったのですが、思ったほど売上は伸びませんでした。
営業利益については売上ほど落ち込んではいないようですが、やはり最近は成長率は鈍化しています。
iPhone売上が未達が響いた
アップルがアナリスト予想を下回ったのは、iPhoneが売上予想に届かなかったことが大きく響いているようです。
アップルには以下の5つの製品・サービスカテゴリがありますが、そのうち売上規模が大きく、今回のアナリスト予想を下回ったのはiPhoneでした。
- iPhone:スマートフォン
- Mac:ノートPCとデスクトップPC
- iPad:タブレット端末
- ウェアラブル&ホーム:AppleWatch(腕時計)、AirPods(ワイヤレスイヤホン)など
- サービス:iCould(クラウドサービス)、AppleMusic(音楽)、AppleNews(雑誌)、AppleArcade(ゲーム)、AppleTV+(動画)、ApplePay(電子決済)、AppleCare(製品保証)など
上のグラフを見てみると、iPhoneだけでなくMacもWearablesも製品は予想を下回っています。
この原因について、半導体不足を含む供給の問題があったことに加えて、新型コロナウイルスの影響を東南アジアでの製造がスムーズに行えなかったためだと、ティム・クックCEOが説明しています。
さいごに
この記事では、アップルの2021年7-9月期の業績を見ていきました。
売上は前年比+29%で成長していますが、半導体不足や新型コロナウイルスの流行で製造が予定通りに進まなかったことから、十分に製品を作れずに売上も伸び悩んだようです。
ちなみに、次の10-12月期は新型iPhoneの売上が次々に上がってくるためアップルにとって一番重要な時期になりますが、この時期は大きな問題はないとティム・クックCEOは対応に自信を覗かせています
既に10-12月期は1ヶ月が終わろうとしている時点でCEOがそう言っているなら、10-12月期の業績は問題ないのでしょう。
私が少し気になっているのは、その次の22年1-3月期からのアップルの成長率です。
2021年のアップルはiPhoneの高成長で支えられていますが、22年1月からは高い成長を遂げた2021年が前年になるので、前年比の成長率はかなり厳しいことになると思います。
以下、最近の製品別の成長率ですが、2021年1-3月期のiPhoneは前年比+66%と絶好調でした。
こうした背景もあって、アナリストたちも2022年と2023年のアップルは売上も利益もほとんど成長しないと見ているようです。
アナリストの期待が低いなら期待を超える業績をあげやすいのかもしれませんが、予想通りにコカ・コーラやフィリップス・モリスに劣る成長率が2年も続くなら、投資家には忍耐力か決断力が求められることになりそうです。