6月FOMCは利下げなしの見込み
さて、週明けの6月18-19日は米国の金融政策決定会合FOMCが開催されます。しかし、市場の見方では、大半の見方が6月のFOMCでは金利を上げずに、現状維持をするとみているようです。
直前の週末なので、今一度、市場の期待値を確認しておきたいと思います。
市場予想の確認の仕方はこちらです:【中級者向け】米国金利動向の市場予測の調べ方
上記の図をみると、市場の75%は6月での利下げはないと見ているようです。なお、2019年内のFedWatchのデータを見ると7月、9月、12月の3回を見込んでいるみたいですね。
6月のFOMCで金利をあげない理由
さて、市場がなぜ6月FOMCで金利をあげないと考えているのでしょうか。他のサイトを見渡していると、いろいろな理由を説明しているものが多いのですが、次の3つの理由を目にすることが多いです。
- 2019年6月末のG20首脳会談で行われるであろう、米中貿易協議の結果を見極めてから利下げを判断する可能性が高い
- 2018年12月に実施した利下げが不要で直ちに利下げが必要との論調があり、12月の利下げ判断が間違っていると解釈されるような行動を取る必要はない
- 市場やトランプ大統領の強い利下げ要望に応じた金融政策の判断をしていると見られているのを避けるため
中でも、1点目の米中会談の結果を見極めてから、利下げを判断するのではないかと理由をあげているサイトやニュース記事が多いですね。パウエル議長が貿易戦争に注視して、適切に対応を判断すると発言していることからも、6月末の米中階段前の6月FOMCでは様子見で利下げしないとの見方が優勢です。
FRBパウエル議長「米中央銀行は経済拡大のために適切に対処する」
ただ、無いとは思いますが、6月19日に利下げを発表したら、ちょっとサブライズですね。
このブログで何度か言っているように利下げをしたら私は数ヶ月かけて売却の予定ですが、FRBが早めの利下げを行った場合に、景気後退が大きく後ろにずれて株価が上昇する局面が訪れることもあるようで、その場合に売却の判断に困りそうです。
例えば1998年6月の場合、利下げからちょうど1年後の1999年6月まで株価が上昇した過去のデータがあります。2019年6月でもFRBが早々に利下げした場合には、その後の株上昇を見越して、株をちびちびと少しずつ売ったほうがいいのか。それとも利下げと同時にまとまってうったほうがいいのか、悩ましいです。
G20首脳会談での米中協議はまだ確定せず。トランプ大統領はわずかに態度を軟化
ちなみに、トランプ大統領は6月末のG20の場で習近平国家主席が出席しない場合、もしくは協議が合意しない場合には追加関税を発動させると以前まで発言していましたが、6月15日の報道では習近平国家主席の出席は重要ではないと態度を緩和させる発言も飛び出しています。
あまり頑なに習近平の参加を要求しすぎると、習近平国家主席の出席自体が中国の交渉カードになってしまうので、アメリカ側が態度を軟化させてさせているようにも見えます。
しかし、まだG20後の米中協議の開催予定が正式には組まれていないんですね。これで合意に至るのか、心配です。こういう状況で穏便に事を済ませるなら、部分的に合意したものを発表し、次回協議を日程を決めつつ、その日程まで関税発動を延期することでしょうか。
ただ、交渉上手な米中ですので、ちょっと素人では結果が読めないです。まずは6月19日のFOMCを見守ってから、月末の大阪でのG20を中止する展開になりそうです。
- 6月10日:中国外務省、G20首脳会議での習近平主席とトランプ大統領の会談の可能性について発言することは何ないと発言(ロイター)
- 6月10日:トランプ大統領、G20首脳会議で習近平主席が会談に出席しないなら、即、関税引き上げると、習近平を引きずり出す発言。(CNBC)
- 6月11日:中国外務省、米国が貿易摩擦を激化させたいのであれば、中国政府は断固たる決意で対応すると表明(ロイター)
- 6月11日:中国外務省、米国が貿易摩擦を激化させたいのであれば、中国政府は断固たる決意で対応すると表明(ロイター)
- [New]6月15日:トランプ大統領、G20首脳会議での米中協議で習近平国家が参加するかどうかは問題ではないと表明(CNBC)