30年ぶりの好景気と呼ばれている2021年の中でも、成長率のピークは4-6月期だと言われています。
その4-6月期の決算が続々と出てきているので、決算シーズン初日に発表があったペプシコを確認していきたいと思います。
結果はすごく良かったです。文句なく、好調そのものでした。
今後のアメリカは2021年4-6月期をピークに経済の成長率が緩やかになっていくと思われますが、そうした中ではペプシコのようにどんな景気でもそこそこ安定して成績を残す銘柄は長期投資用の資産のごく一部に取り入れる価値はあると思います。
(コカ・コーラやマクドナルドなど他の似たような銘柄が既にあるなら、それでも構いません。)
ただし、過去の株価に比べるとやや高い印象もあるので、短・中期的な視点で投資する人はひとまずウォッチリストに入れて置く程度で良いかも知れません。
この記事のポイント
- 2021年4-6月期のペプシコの決算は、売上・一株利益ともに予想を上回る好業績だった。
- 1年前の新型コロナの低迷もあって、前年比の成長率は大きく延びた。
- 他の銘柄と同様に株がやや割高にも見えるが、今後はアメリカの経済成長が緩やかになっていくので、ペプシコのような安定した銘柄を資産のごく一部で保有しておく価値はありそう。
復調を遂げた4-6月期のペプシコ
振り返ってみると、2020年4-6月のペプシコは新型コロナウイルスの悪影響もあって大きな低迷を経験しました。
しかし、それから1年たって、ペプシコの業績は大きく回復したようです。
- 売上:192.2億ドル(予想179.6億ドル、前年比+21%)
- 一株利益:1.72ドル(予想1.53ドル、前年比+44%)
売上も一株利益も大きく予想を超える好決算でした。ペプシコは毎回のように安定して予想を超える決算を出してきますが、今期もちゃんと結果を残しました。
ペプシコの売上の成長率は良くても一桁後半のことが多いのですが、今期は前年が低迷していたこともあって+21%の大幅増加でした。
売上につられる形で、営業利益も大きく伸びています。
オーガニックセールスも好調
また、ペプシコの業績の調子の良し悪しは、オーガニックセールス(買収や為替の影響を除いた売上)がちゃんと伸びているかどうかで測ることが多いですが、オーガニックセールス成長率も文句なしに良かったです。
上のグラフで見てみると、前期の1-3月期は冬場の新型コロナウイルスの再流行の影響もあって、オーガニックセールスがやや落ち込んで心配しましたが、曇った状況をスッキリと晴らすような結果を残したようです。
主力の北米ドリンク売上が特に好調
好調の要因を探ってみると、昨年は大きく落ち込んでいた北米のドリンクのオーガニックセールスの回復が目につきます。
ペプシコは北米の売上が大きく、その中でもペプシコーラなどを含むドリンク事業が特に重要になっているのですが、この部門は今期大きく業績を伸ばしました。
レストランやスタジアムなどの外出先でのドリンク売上が増えているようです。少し脱線しますが、まだ決算を発表していないコカ・コーラも恐らく北米の売上が大きく上昇していると思われます。結果を楽しみに待ちたいと思います。
また、上のグラフ(黄色い線)を見ると分かるように新型コロナウイルスで在宅時間が増えていた頃に売上を伸ばしていたシリアルやオートミールは、今期は前年比でマイナス成長になっています。
ただし、もともとの売上がドリンクのほうが大きかったので、シリアルやオートミールの不調はドリンクの好調でちゃんとカバーできたようです。
まとめ
この記事では、ペプシコの4-6月期に業績を見ていきました。前年は低迷していた主力事業の北米でのドリンク売上が回復したことで、予想を超える好決算になった模様です。
ペプシコの数字を見る限り、北米での新型コロナウイルスからの景気回復の強さが目立ち、レストランなでの外出先での売上が回復している様子が見られたので、これから発表されるコカ・コーラなど他の銘柄の決算にも期待が膨らむ内容でした。
このブログでは、既に何度か伝えているように恐らくアメリカの景気拡大は4-6月期で既にピークを超えたと思われるので、これからはペプシコのような景気拡大スピードが減速する中でも安定して結果を残す銘柄が好まれる時期がまもなく来ると思われます。
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実はペプシコの株価はやや割高で、必ずしも今が「買い」のタイミングではないのですが、資産の一部分で長期投資用にじっくりと安定した銘柄を持つなら、ペプシコのような銘柄は選択肢としてありだと思います。