今の私の保有銘柄を改めて見返してみると、インフレに強い銘柄が資産の多くを占めていることに気づきます。
もちろんインフレだけを考えて銘柄選択をしているわけではないのですが、インフレを見越した投資の割合が大きいので、この投資がいつまで続けられるかをこの記事で考えていきたいと思います。
この記事のポイント
- 2021年のアメリカのインフレ率上昇が一時的と見るなら、夏場までには訪れるはずの景気のピークでインフレに強い銘柄を売却。
- アメリカのインフレ率が上昇が一時的ではないことに賭けるなら、FBRがインフレ対抗策を打ち出すまで投資できるはず。
- 今の私は、インフレが一時的ではない可能性も追っているので、まだしばらくインフレに強い銘柄を保有するつもりでいる。
インフレを意識した保有銘柄
この記事を書いている時点で、私のポートフォリオはインフレをかなり意識したものになっています。
保有銘柄上位は製薬会社のノボ・ノルディスク(NVO)を除いて、ほとんどがインフレに強いはずの銘柄を選んでいて、以下の表の中のインフレでも耐えられそうな上位5銘柄だけで、資産全体の約7割を占めています。
これらの銘柄の中には、景気拡大が落ち着いて長期金利が低下したら魅力的になるはずの高配当銘柄(タバコ)があったり、不景気になっても利益が落ちにくい銘柄(製薬やタバコ)もあったりと、インフレだけを意識して銘柄選択をしているわけではありません。
ただし、全体としてはインフレが予想以上に進んでも問題ない投資をしています。
インフレに強い投資はいつまで続けられるか
ここで疑問なのですが、こうしたインフレを見越した投資はいつまで続けられるのでしょうか。
考え方はいくつかある気がしています。
- 2021年の米国のインフレ率が一時的と見るなら、まもなく分かるはずの景気のピークが過ぎたことを確認して売却。
- インフレ率の上昇が一時的ではない可能性にもかけるなら、FRBがインフレ対策で急いで利上げをするまで待って売却。
インフレが一時的とみるなら、まもなく売却タイミング
もしも、2021年に上昇しているインフレ率が一時的と見るなら、景気拡大のピークでインフレに強い資産から、景気拡大ペースが減速しても安定して利益を上げる企業の株(生活必需品や、安定成長株)に切り替えるのが良いと思います。
マークイットによる調査では5月もアメリカ企業の景気は絶好調で、しかも提供しているサービスも商品も価格が上昇しているようなので、まだ少しの間はインフレを見越した投資は続けられそうです。
>>米マークイット総合PMI、5月は過去最高-サービス業がけん引(ブルームバーグ)
しかし、おそらくはこの夏頃にはアメリカの景気拡大はピークをつけるはずなので、インフレが一時的とみる投資家にとっては、まもなく売却のタイミングがやってくると思います。
インフレが高止まりする場合には、金利引き上げまで
経済専門家の見方では、2021年のインフレ上昇は一時的だと言いますが、この予想が外れることに賭けるなら、まだしばらくインフレに強い資産を保有しておくのも良いかもしれません。
私は、この予想が外れる確率もそこそこある気がしています。
先日の書いた以下の記事で触れたように、金融政策を決めるFRBの一部のメンバーはようやくインフレが長引くことに警戒を見せる姿勢をとりはじめましたが、まだ主な意見は「インフレは一時的」「金融緩和は続けるべき」という主張です。
4月のFOMCの議事録を眺めていて、気になった2つのこと。
アメリカの金融政策を決める会議(FOMC)の21年4月28日の議事録が公開されました。議事録を眺めていて気になった点が2つあったので、この記事で書いていきます。
しかし、変な話かもしれませんが、FRBがインフレが一時的だと訴えて金融緩和を続ける姿勢を見せれば見せるほど、投資家の資金はインフレに強い銘柄や商品に向かう気がしています。
インフレに見越す投資家は、中央銀行のFRBがインフレを抑える方針に転換すること(特に、政策金利を引き上げること)を一番恐れているのですが、金融緩和を続けるというFRBの主張が続けば、安心して投資を続けられるからです。
まとめ
インフレに強い投資はいつまで続けられるかを考えていきました。
(1)もしも、2021年のアメリカのインフレが一時的と見るなら、景気拡大が一段落する夏場まで、もしくは(2)インフレが一時的ではないと見るなら、FRBが方針転換してインフレへの対抗策を打ち出すまでが投資できる期間だと思っています。
今のところ私は、インフレが一時的ではない可能性も追っているので、FRBが対抗策を打ち出す姿勢を鮮明にするまで投資しようかと思っています。
ただし、いつどんな投資でも言えることですが、他に更に魅力的になっている投資先があるなら、そちらに資金を移そうとも考えています。
保有銘柄は期待できるリターンが大きく、確実性が高いもので固めたいと思っているので、チャンスがあればインフレにこだわらずに投資先を変えるつもりです。