米国政策金利の市場予測
「株価が上がるかどうかは金融政策で8割が、個別の経営状況で2割決まる」と言われるほど、金融政策は株価に大きく影響します。
一般的に、金利が下がれば企業は資金調達がしやすくなって景気が上向くので株価はプラスに働き、逆に金利が上がれば株価にはマイナスに働きます。
実際に金融政策を決めるのは中央銀行の政策決定会合FOMCですが、ニュースや経済や金融のプロの話を聞いていると「次回のFOMCでは市場は70%の確率で利下げを見込んでいる」だとか、「市場の予測では7月、9月に利下げを見込んでいる」など、市場予測の解説を聞いたことがあるかと思います。
株価に大きく影響する金利の予測情報ですが、どうやって調べるのでしょうか?
この記事では、金利の市場予測の調べ方を解説したいと思います。
CME FedWatch Toolを使った市場の金利予測の見方
今回はCME FedWatch Toolを使って、アメリカの金利動向の市場予測を見てみます。
ここでは、試しに2019年内の米国政策金利の市場予測を見ていきましょう。
6月19日FOMCでの金利予想(6月10日時点)
CME FedWatch Toolを開いた後、グラフの上のタブでFOMCの開催日6月19日をクリックします。
すると、上の図のような市場予測がグラフで表示されます。現時点の金利は網目がかかっている棒グラフで2.25-2.50%ですが、83.3%の市場参加者は6月19日FOMC終了時点でも2.25-2.50%で金利は変わらないと予想しているようです。
つまり、市場は6月の利下げはないと見ていることがわかります。
7月31日FOMCでの金利予想(6月10日時点)
同様にして、7月時点の市場予測を見てみましょう。グラフ上のFOMC日程から7月31日を選択します。
6月時点の市場の予想は2.25-2.50%でしたが、7月31日のFOMC後の市場予想は2.00-2.25%になっていることがわかります。つまり、市場は7月のFOMCで0.25%の利下げを1回見込んていることがわかります。
ここまでで見方もわかってきたと思うので、この調子でどんどん見ていきましょう。
9月18日FOMCでの金利予想(6月10日時点)
9月予想は、7月予想よりも更に0.25%下がっているので、9月も0.25%の利下げが1回ある予想です。
10月30日FOMCでの金利予想(6月10日時点)
9月と変わらないので、市場は10月の利下げなしと見ています。
12月11日FOMCでの金利予想(6月10日時点)
ここでも前回FOMCと金利予想がかわりません。よって、12月11日FOMCも利下げなしの予想です。
以上、まとめると「7月、9月に0.25%ずつの利下げが合計2回ある」と市場が見ていることが解りました。
今日は金利動向の市場予測の調べ方について解説しました。投資判断にぜひお役立て下さい。