2021年1-3月期(21年第1四半期)コカ・コーラの決算が発表されました。結果はかなり良かったです
コカ・コーラは新型コロナウイルスが流行した2020年春はレストラン・映画館・スタジアムの閉鎖でドリンクの売上がかなり減って業績を下げたのですが、家庭内での消費を活発化させて業績の回復を図ってきました。
こうした対応力の高さもさすがです。
実はコカ・コーラが決算を発表した日、新型コロナウイルスの世界の感染者数は過去最高を記録していたのですが、業績は早くもコロナ前の水準に戻ったようです。
私は2013年からコカ・コーラ株を保有していますが、今のところ安心して保有継続で良いと思います。
この記事のポイント
- 2021年1-3月期のコカ・コーラの決算は売上・利益ともに予想を大きく上回る内容だった。
- 買収や為替の影響を取り除いたオーガニックセールスと呼ばれる売上成長率はパンデミック前の水準にまで回復した。
- 地域別にみるとヨーロッパでは新型コロナの影響で業績の低迷が続いているが、アジアなどの他の地域での成長でカバーしている。
予想を大きく上回ったコカ・コーラ
今期のコカ・コーラの決算は、売上も一株利益も予想を大きく上回る内容でした。
この記事のポイント
- 売上:予想86.0億ドルに対して、90.2億ドル(予想超え、前年比+5%)
- 調整後一株利益:予想0.50ドルに対して、0.55ドル(予想超え、前年比+8%)
単位B:10億ドル | 1Q21 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | $9.0B | +5% |
営業収益 | $2.7B | +14% |
調整後一株利益 | $0.55 | +8% |
コカ・コーラの長期的な売上成長目標は4-6%と公言されていますが、今期はちゃんとこの範囲に収まるまでに回復してます。
2020年はコロナでレストランやスタジアムでのドリンク販売がかなり減少しましたが、そのダメージをちゃんとカバーでき、売上成長率はプラスに転じたようです。
きちんと売上を確保できた上、営業利益率も前年から数ポイントだけ改善されたこともあり、利益成長も順調に加速しています。
コロナ前の業績に回復したコカ・コーラ
決算を見ていて、コカ・コーラは既にコロナ前の業績に戻ったのだろうと感じました。
コカ・コーラの業績の好調・不調はオーガニックセールス(Organic Revenue)という数字でよく判断されます。これは買収や為替の影響を取り除いた売上のことなのですが、今期は前年比+6%で成長していて、コロナ前の成長率に戻りました。
もちろん地域別にみると、1-3月期で新型コロナの感染拡大が続いたヨーロッパでは業績はまだ低迷しているのですが、他の地域の好調でカバーして全体としてコロナ前の水準に戻しています。
前年比 | オーガニックセールス | 販売量 |
---|---|---|
ヨーロッパ | -7% | -2% |
ラテンアメリカ | +8% | +0% |
北米 | +4% | -6% |
アジア太平洋 | +18% | +9% |
全体 | +6% | +0% |
上記のように地域別に見ると、まだコロナの爪痕は残っていますが、それでも全社的にはコロナの前の調子を取り戻したと言えます。
まとめ
この記事では、コカ・コーラの2021年1-3月期の決算を見ていきました。
売上・一株利益ともに予想を大きく上回る好決算だったと思います。売上はプラス成長に転じた点、利益成長が加速している点もかなり好印象でした。
コカ・コーラの好不調を判断する材料になるオーガニックセールスを見てみても、前年比+6%とコロナ前のような成長率に戻ってきているのも頼もしいです。
先日の以下の記事で書いたように、今のコカ・コーラはやや割高な印象があるので、追加投資をするつもりはありませんが、安心して継続保有できる決算だったと思います。
オールドエコノミーにも割高に見える銘柄があるので、注意が必要です。
2月中旬から金利の上昇を受けてハイテク銘柄が売られて、昔からあるような企業(オールドエコノミー)が買われる動きがあります。金利が上昇している局面では割高な株が売られる傾向があるので、ハイテク株が売られるのはわかります。しかし、よく見るとオールドエコノミー銘柄にも割高なものがかなりある点には注意が必要だと思います。
また昨日の記事に書いたように、これからはアメリカのコロナ後の景気回復がピークを超えて経済成長率が鈍くなってくる状況にも備えて、生活必需品銘柄も増やそうと思っていますが、コカ・コーラは割高な点を考えるその対象にはならなそうです。
コカ・コーラは良い企業ですが、既にだいぶ買われているので、このタイミングで買い増しをするなら別の生活必需品銘柄のほうが良さそうです。