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Google、ゲームサブスクリプション受付開始
Googleにとって、2019年の最大の大勝負となるゲームストーリーミングサービス”Stadia”の予約販売が開始されました。定額制でゲーム遊び放題プランが月額9.99ドルで、2020年には月額無料でゲームタイトル毎に料金を支払うプランも受付開始されます。
Stadia対応のゲームタイトルには、 ファイナルファンタジー15やドラゴンボールゼノバース2など日本でお馴染みのソフトの対応も発表されています。
が、しかし残念ながら日本を含まない14カ国で2019年11月からサービスが開始される予定です。
…まあ、安定の「日本を除く」サービス展開ですね。日本は言語対応のプログラミングと動作検証が面倒な上に市場規模も小さいですし、しょうがないですね。Stadiaはサービス発表の時からすごい興味あったのですが、たぶんまた日本では直ぐにはお目にかかれないだろうなと覚悟はしていました。
(しかし、ほんとにIT業界にいると、海外からの日本の扱いって本当にシビアですよね。新卒で外資系IT企業で開発チームで仕事していたことがあるのですが、特に新サービス開発では日本市場はほとんど視界にすら入ってないです。「日本対応なんて製品ができた後、そのうち誰かにやらせればいいでしょ」のレベルです。)
2020年以降に対応してくれることを待ちましょう。
Google、15兆円市場への挑戦
ちなみに、冒頭で2019年のGoogle一番の大勝負と言ったのは、このゲームストーリーミングサービスのStadiaが年間15兆円のゲーム業界の構図を変える可能性があるからです。
今まで本格的なゲームは、プレイステーションやXboxやもしくは高性能でPCなど効果な専用機を購入して、その後ソフトを買ってきて遊ぶものでしたが、このStadiaはその業界のビジネスを根本から変えてしまいます。
Stadiaの遊び方は、Youtubeのようにwebブラウザを開いてクリックしたらゲームスタートです。
ゲームコントローラー(69ドル)は必要ですが、ソフトを購入するためにビックカメラやヨドバシカメラに買いに行く必要も、ダウンロードするために数時間待つ必要もありません。なので、Stadiaが流行ればゲーム機メーカーとソフトメーカー双方に多大な影響を与えます。
- ゲーム機メーカーにとっては、ゲーム機が売れなくなる
- ソフトメーカーは、Googleからライセンス料として収益の一部をもらうようになる
お気づきの方も多いと思いますが、これは音楽業界に起こった変化と同じです。iTunesやApple Musicなどの普及によって、CDコンポを作っていたメーカーは売れなくなり、音楽を制作するレコード会社はアップルからライセンス料をもらって稼ぐようになったのと同じです。
なので、Googleのゲームストリーミング動画は単なるサブスクリプションビジネスだと思っていると、その影響を過小評価することになります。Googleが挑んでいるのは、15兆円のゲーム市場をどこまで侵食できるかです。
ゲームストリーミングのライバルはマイクロソフトであって、アップルではない
ここまでGoogle中心に話を進めましたが、もちろんゲーム市場に変革を起こそうとしているのはGoogleだけではありません。マイクロソフトも同様のゲームストリーミングサービスを年内にも展開予定です。
Microsoft、新ゲームストリーミングサービス「xCloud」のトライアルを年内に開始へ(ITmedia)
こちらは、せめて日本対応だと嬉しいですね。
ちなみに、アップルが定額制ゲームサービスのアップル・アーケードを発表していましたが、あれはただ沢山のゲームをまとめ売りしているだけで、webでクリックしたら即ゲームが楽しめるようなGoogleやマイクロソフトが目指している技術レベルの高い世界とは違います。
アップルは今やサービスの会社ですし、先進的な技術を駆使してストリーミングゲームで業界を変えていこうとする野心は今のアップルにはありません。今後Googleとマイクロソフトがストリーミングゲームで勢力を伸ばした時に、アップルも後追いするのかもしれませんが、そのときには既に手遅れになっている恐れもあります。
たぶん今のアップルには先進的な技術を追うのではなく、クレジットカードやウォレットなどの決済機能を拡張して利便性の高いサービスを提供するほうがあっていると思います。
Googleとマイクロソフトのゲームストリーミングの今後に期待
Stadiaが年間15兆円のゲーム業界の構図を変える可能性があると言いましたが、おそらくGoogleだけでなく、マイクロソフトと一緒になってゲーム業界のゲームチェンジャーになっていくのだと思っています。今のところ、わずかにGoogleが先行している印象ですが、この2社の動向は今後も注目です。
Googleもマイクロソフトも今後が楽しみですね。昨日に引き続き、「不況時に下落したら買いたい銘柄」という裏テーマで今日はGoogleとマイクロソフトを紹介しました。