数日前に書いた以下の記事で、「今から守りの投資にシフトしたほうがどうか検討してみる」という内容を書きました。
まだ米国株に投資できる時期だとは思いつつも、つい守りの投資を意識してしまう。
まだまだ米国株に投資できる時期だとは思っているのですが、2020年3月のコロナの流行から続いていた米国株の好調の背景が、先月2月の国債価格の下落(金利上昇)でやや揺らぎはじめた気がしています。
この記事の後もじっくりと考えてみたのですが、結論としては(一時的に警戒して多少は守りを固めたとしても)まだしばらくは米国株が上昇することにかけても良いだろうという考えになりました。
2月の中旬から米国株はやや調子を崩していて下落する日が続いていますが、これは恐らく一時的なもので(ナスダックさておき、少なくともS&P500の)株価のピークはまだ来ていないだろうと思います。
上記の記事を書いたときよりも、少しだけ考えを前向きにシフトさせたので、「なぜ悲観的な考えを少しだけ変えたのか」を書いておきます。
この記事のポイント
- 米国株に弱気になっていた理由は、株価に悪影響が出る長期金利の上昇が今後も続くと考えていたため。
- しかし、長期金利の上昇が本格的に問題視されれば、長期金利の上昇はFRBによってある程度食い止められる。一方、米政府とFRBは景気引き上げに必死で、株価の上昇圧力は続く。
- 米国株に大きな下落が訪れるのはFRBが過剰な景気を冷やす行動に出た後だが、まだその時期ではない。
米国株に弱気になりかけた理由
数日前までの守りの投資にシフトしようか考えていた時の私の考えは以下のようなものでした。
米国株に弱気になったときの考え方
- 今までは低い長期金利を背景に、株高が続いていた。
- 今後も景気が回復して金融緩和が縮小されれば、長期金利が上昇するはずなので、株価は上昇理由を失ってしまう。
この考えの背景には、「長期金利の上昇が今後も続く」という前提がありました。
しばらくは米国株はまだ強気でも良いと思えた理由
しかし、「長期金利の上昇が今後も続く」という前提はよく考えてみると確実なものではありません。
もしも長期金利の上昇が経済の一番の問題になった場合には、中央銀行FRBが金利の上昇を食い止めるために動くこともできます。
実際に第二次世界大戦時中にFRBは長期金利に上限を設けたこともありました。(少し古い記事ですが、WSJに当時のFRBの様子が垣間見える記事があります。)
また、この他にもFRBには長期金利を下げるための策もあります。
米国株には「景気回復で企業の業績が回復して、株価が上昇する力」と「金利上昇の悪影響で、株価が下がる力」の2つがありますが、今はアメリカ政府もFRBも景気回復の力を強めようとしている一方で、いざとなったら金利上昇の力を弱める手段もあるので、米国株はまだ上昇する可能性のほうが高いと思っています。
米国株に働く2つの力
- 業績回復で株価を上昇させる力:アメリカ政府もFRBも強力に後押し。
- 金利上昇の悪影響で株価を下落させる力:いざとなれば、FRBが抑えに入る。
そう考えると、本格的な米国株の下落がはじまるのは、景気(またはインフレ率)が過熱しすぎて見かねたFRBが景気を冷やそうとした後なのだろうと思います。
投資を続ける際の注意点
まだ米国株に投資できる時期は続くと思っていますが、それでも警戒しなければならない点はいくつもあると思っています。
今後の米国株投資の注意点
- 金利上昇時には割高な株は大きく下落するので、割高な株は持たない。
- 経済が再開が始まった頃(5-6月頃)に発表されるインフレ率が予想以上に高い場合、ふたたび金利上昇で株価が下がる可能性がある。
- 1〜2年後にでもFRBが景気を冷やす政策に変更したら、米国株の投資を縮小する。
以下の記事で書いたように、金利上昇中は割高な銘柄が大きく下落するので、割高な株はできるだけ持たないようにしなければなりません。
市場の動きから金利上昇に強い銘柄を探していく。
今後も実質金利が上昇する余地があるなら、どんな銘柄ならその影響を受けにくいのか把握する必要があります。この記事では、2月25日の市場でどんな銘柄が金利上昇の悪影響を受けにくかったのかを調べて、今後の金利上昇にどのように備えるかを考えていきます。
また、ワクチン接種が進んで経済を再開させるスピードが早まった頃、消費者物価(インフレ率)と長期金利が急に上昇しないかも注意が必要です。
特に4月と5月は1年前の経済がボロボロの状態だったので、前年比で想像以上に高いインフレ率が5-6月に発表される可能性もあると警戒しています。
2021年の米国株、5月から6月頃の一時的な下落を少し警戒しています。
また本格的な株価下落は2022年後半だとしても、それまで右肩上がりに株価が上昇するのではなく、何度か雲行きが怪しくなって一時的な下落も経験すると思っています。直近で警戒しているのは5-6月頃です。この記事では、なぜ5-6月に下落が起きやすいと考えているのかを書いていきます。
今年の半ばまでは神経質な展開が続くかも知れませんが、警戒しながら投資は継続させようと思っています。