一部の気の早い投資家は、2021年内にもアメリカは政策金利を引き上げるのではないかと予想し始めています。
今まで米国株は低金利を背景にして、株価が上昇していました。もしも金利が引き上げられれば、割高な株を中心に株価が引き下げられる力が働きます。
2021年内の利上げを予想してる投資家はまだかなり少数派ですが、この1週間で利上げ予想が少し強まっているのが気になります。
継続的にチェックして、利上げ予想が今後も増えていくようなら割高な株を減らして、割安な銘柄(たばこ銘柄など)の比重を上げていこうと思っています。
この記事のポイント
- 一部の投資家は、2021年内の金利引き上げを予想し始めている。
- 今までの米国株は低金利(金融緩和)を背景に、株高になっていた。政策金利が引き上げられると、割高な株価から売られる現象が起こるはず。
- 年内の利上げ予想はまだかなり少数派だが、少しずつ増えている。今後は投資家の金利予想に目を配りながら、割安な銘柄の保有率を上げていく。
年内の利上げ予想確率は10%超えに増加
アメリカは1月中旬をピークに新型コロナの感染の新規感染者数が急速に減少し、ワクチン接種も進めています。
そうした中で、2021年のアメリカの経済成長とインフレ率上昇は予想以上に良くなるのではないかとの見方も広まっています。ここまでは良いニュースです。
一方で、米国株投資家はこの状況は手放しでは喜べません。
今までアメリカはコロナで不調に陥った経済を救済するために政策金利をゼロまで落とし、そのおかげで株価も上昇しましたが、景気が良ければ金利が引き上げられて、株価が下落する恐れがあります。
投資家の利上げ予想
CME FedWatchツールを見てみると、2021年12月にFRBが利上げすると見ている債権投資家は11%ほどいるようです。
1ヶ月前には年内に利上げを予想している投資家はほとんどいなかったのですが、この1週間で見通しに変化が見られます。
利上げを予想している投資家のほとんどは、2021年9月で利上げが行われると見ているようで、2021年4月の利上げを予想する投資家もわずかにいます。
参考記事:
【CME FedWatchツール】米国金利動向の市場予測の調べ方
割高な株を減らし、割安な株へ
市場で2021年内の利上げ予想が増えてきたと言っても、まだわずかに10%程度です。
私も金利引き上げは2022年になってからだろうと思っていますが、市場の利上げ予想が今後も高まっていくかどうかは、注意深く見ていくつもりです。
そして利上げ予想が今後も上昇していく展開が訪れたら、その時はいよいよ利上げがあるものと思って、対策しなければなりません。
対応策はとてもシンプルです。
金利の上昇による株価下落は割高な株ほど影響が大きいので、割高な株を持たないことにつきます。割高な株は売って、現金かもしくは割安な株に買い換えることになります。
この記事を書いている2021年2月の時点で、割安に見えているのはタバコ株です。アルトリア・グループ(MO)かブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)のような利益出しているのに全く買われていない銘柄なら、金利上昇の影響はいくらか少ないと思います。
低迷中のタバコ銘柄に長期投資のチャンスが広がっている。
この記事では、多くの投資家の目線が短期的になっている中で、あえて長期投資でリターンを得るなら、どんな投資が選択肢にあがるか考えていきます。
そのタバコ銘柄でも、金利が上がると配当の旨味が薄れるので、下落は完全には避けられないかも知れません。
なので、私の場合は、利上げが近づいてきたらタバコ銘柄の保有比率だけでなく、現金の比率も上げると思います。
まとめ
この記事では、一部の投資家が2021年内の利上げを予想し始めたことを書きました。
今まで低金利で米国株は株高が続いていましたが、その恵まれた投資環境が少しずつ終わりに近づいていることを意味します。
まだ市場の利上げ予想はかなり少数なので、今すぐ行動を起こすつもりはありませんが、利上げ予想が今後も高まるなら割安な銘柄にシフトしようと思います。
また、あくまでも私の考えですが、もしも利上げが数回続くようなら、長年好成績を出しているS&P500などの株式指数でも下落は避けられないと思っています。
以下でS&P500の割高度(予想PER)を見てみると、金融緩和のおかげで今まで割高な株価でも維持できていましたが、それが維持できなくなる恐れがあるからです。
ただ、S&P500の株価が崩れるのはまだずっと先のことだとは思っています。