グーグルの親会社のアルファベットの2020年10-12月決算が発表になりました。
結果はとても良かったです。売上も利益も予想よりも大幅に上回りました。
数日前に好決算を発表したフェイスブックと同様に、グーグルにもウェブ広告の成長が戻ってきているようでインターネット検索での広告収入と、YouTube動画の広告収入がかなり好調でした。
この記事のポイント
- アルファベットの決算は売上・一株利益ともに予想を大幅に上回った。
- 好調の要因はアルファベットの売上の半分を占めるインターネット検索の広告収入の高成長が戻ってきたこと。また、YouTube広告の売上成長率も前回に引き続き高かった。
- 今後2四半期は前年の業績が低迷してるため、さらに成長率が高まることが予想される。
- アルファベットは好材料が多いため、継続保有を決めた。
予想を大幅に上回る好決算
2020年10-12月期のアルファベットは予想を上回る好決算でした。
- 売上:568.9億ドルで予想を40億ドル上回る(前年比+24%)
- 一株利益:22.30ドルで、予想を6.58ドル上回る(前年比+45%)
単位B:10億ドル | 20Q4 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | $52.9B | +22% |
営業利益 | $19.1B | +41% |
一株利益 | $22.3 | +45% |
売上の+22%成長はアメリカが好景気だった2018年以来の数字です。
新型コロナウイルスで広告費が大きく落ち込んだ2020年4-6月(FY20Q2)では、上場以来はじめてのマイナス成長にまで落ち込みましたが、それから順調に回復を遂げてコロナ前よりも成長を加速させています。
今期は利益も大きく伸び、営業利益で前年比+41%、一株利益で+45%と近年になかった力強さを見せています。
好調は広告収入の成長
今期のアルファベットの好調の背景には、広告収入の回復があるようです。
まずはアルファベットの各部門をおさらいしておきます。
アルファベットの売上構成
- Google検索:検索結果画面に表示される広告の収入
- YouTube広告:YouTubeの動画に表示される広告の収入
- Google Network:Google以外の企業や個人が運営するサイトに広告を掲載して仲介手数料を取るビジネスの収入(Adsenseなど)
- Googleクラウド:クラウドコンピューティングの利用収入
- Googleその他:音楽・動画の定額制配信サービス、スマホ端末(Pixel)の売上
- Google以外の小会社:自動運転のwaymo社などの売上
上記の中でもっとも重要なのは、アルファベット全体の約「Google検索」からの売上です。
検索結果画面に表示される広告収入が計上される「Google検索」の売上は、新型コロナウイルスが北米を直撃した直後の2020年4-6月には大きく落ち込んでいたのですが、今期は前年比+17%と力強い伸びを示しました。
また、無料のYouTube動画に表示される「YouTube広告」も前年比+46%で、相変わらず高い成長率を維持しています。
今期は全体的に広告ビジネスが好調だったようです。
単位B:10億ドル | 20Q4 | 構成比 | 前年比 |
---|---|---|---|
Google検索 | $31.9B | 57% | +17% |
Youtube広告 | $6.9B | 11% | +46% |
Google Network(AdSense等) | $7.4B | 12% | +23% |
Googleクラウド | $3.8B | 7% | +47% |
Googleその他(定額制Youtubeプレミアム、スマホなど) | $6.7B | 12% | +27% |
Google以外の子会社収益 | $0.2B | 0% | +14% |
以下では、過去1年間の製品カテゴリ別の売上成長率をグラフにしましたが、「Google検索」は成長率が回復していることがわかります。
コロナ前の2019年第4四半期(19Q4)と、同程度にまで成長率が回復している点はかなり好印象です。
まとめ
この記事では、グーグルの親会社のアルファベットの2020年10-12月期決算の様子を振り返りました。
アルファベットは2020年4-6月にはコロナの悪影響を受けて、売上のマイナス成長を経験するほど業績が落ち込んでいたのですが、そこから力強く復調したようです。
主力売上のGoogle検索が復調し、YouTube広告やクラウドの売上も高い成長率を維持できています。
さらに、今後2021年4-6月期までの2四半期は前年が低迷していたため、さらに成長率が加速することが予想されます。
もともとは今回の決算発表を経て大手IT企業の株を売って、現金比率を高めようかとも考えていましたが、これだけ好調で4-6月までは成長率の加速が期待できるなら、まだアルファベット株を保有していて良さそうだと考え直しました。
この銘柄との付き合いはまだまだ長くなりそうです。