日本人もコロナの自粛期間中に多くの人が利用している動画サービスのネットフリックスの決算発表がありました。
業績は一株利益こそアナリストの予想を下回る結果に終わってしまったものの、売上は予想超える有料会員数の伸びを見せて好調さをキープしました。
また、この決算でネットフリックスが自社株買いを再開できる日が近いと発表して、注目を集めています。
今まではお金を借りて巨額な制作費に当てていましたが、ネットフリックスの儲けが増えたおかげで制作費を自力でまかない、更に余った資金でネットフリックス株を買って株主に還元する自社株買いの未来まで見えてきました。
この発表を受けて、決算発表後にネットフリックスの株価は10%以上も上げています。
この記事のポイント
- 2020年10-12月期で利益は予想を下回ったものの、売上と有料会員数は予想を上回った。
- この決算では自社株買いの再開の意思を表明して注目を集めた。
- ただし、個人的にはネットフリックスはこのタイミングで一旦売却する。2021年は好調だった前年の影響で成長率が鈍化すると見ているため。良い企業なので、株価が下がれば投資を再検討する。
2020年10-12月業績
今期のネットフリックスの業績は利益こそ予想に届きませんでしたが、売上は予想を上回る好調さを見せました。
- 売上:66.4億ドルで予想を0.2億ドル上回った(前年比+21.4%)
- 一株利益:1.19ドルで、予想を0.20下回った
ネットフリックスの売上、有料会員数の数が鍵を握りますが、加入者数は想像上に伸びています。事前のアナリストの予想では600万人の増加を見込んでいましたが、実際には851万人の増加を達成しています。
- 加入者増加数:851万人で予想を上回る(予想は600万人)
今期加入者を積み上げたことで、はじめて加入者数が2億人を突破したようです。
2020年のネットフリックスの加入者の伸びは、世界的なステイホームの追い風を受けて順調に伸びました。
以下のグラフでは年間の加入者純増数を比べたものですが、2020年のネットフリックスの加入者数は近年になく好調だったようです。
ただ特別好調だった2020年の反動を受けて、2021年の加入者数の伸びはかなり緩やかになると見ているようです。2020年は前年比で20%超えを連発していましたが、ネットフリックスの2021年1-3月期の業績見通しでは、前年比+14.1%にとどまるようです。
自社株買いに言及したネットフリックス
この決算で大きく注目を集めたのは、ネットフリックスが自社株買いについて発言したことです。
As we generate excess cash, we intend to maintain $10B-15B in gross debt and will explore returning cash to shareholders through ongoing stock buybacks, as we did in the past (2007-2011)
現金が余分にあまれば、ネットフリックスは100億ドル〜150億ドルの借金を維持しつつ、かつて2007年から2011年までやっていたように自社株買いを通じて、株主に還元する道を模索したいと思っている。
ネットフリックスが儲けた余分のお金で、ネットフリックス株を買ってくれれば、株主にとっては大きなプラスです。この発表を受けて、株価は時間外取引で大きく上昇しました。
ただ、私はこのタイミングでネットフリックス株を一旦すべて売却します。
これからネットフリックスの決算は高い前年の業績の影響を受けて成長率が鈍化するので、しばらくこの株価の大きな伸びは見込めないと思っているからです。
ただし、近年のネットフリックスは儲け(フリーキャッシュフロー)が増えて、長期的にも魅力的な企業になってきているので、株価が大きく下落することがあれば、再度投資を検討したいとも思っています。
以下の記事で書いたように私の中ではフリーキャッシュフローが増える企業はかなり重要視しているので、今後もネットフリックスのフリーキャッシュフローには大きな期待をしています。
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とってもシンプルに考えるなら、個別株に投資で重要なことはたった2つしかありません。【何を買うのか】と【いつ買うか】だけです。この記事では、長期で個別株で資産形成したいと考えている投資家に向けて、どんな銘柄をどのタイミングで買っていけば良いかを考えていきます。