2021年は定期的に保有銘柄を見直していこうと思います。
昨日の以下の記事で触れたように米国株はかなり割高な水準にあるので、基本的には売却をしたり、割高になった銘柄はまだ割安なものに入れ替えたりと、リスクを抑える方向で保有銘柄を調整していこうと思っています。
今週から米国株の決算シーズンがスタートするにあたって
S&P500などのインデックス投資をしている人にも、決算は無関係ではありません。今の2021年初のS&P500は、企業の一株利益の22倍(予想PER:22)という高い株価がついているので、割高感を解消するためにも企業が良い決算を出すことは重要になります。
米国株は全体的にやや割高ですが、2021年半ば以降には景気回復を背景にした株高も見込めるので、まだ投資できるテーマに絞ってやっていくつもりです。
今後の投資で考えていること
- 米国株は割高だが本格的に撤退するには早い。割高なものは避けつつ、まだ投資できるテーマを絞って投資をしていく。
- 2021年前半は大手ハイテク企業(GAFAMなど)の保有は減らすことも検討。現時点の金利なら大きな割高には見えないが、今後金利の上昇が変化したら割高な評価に変わるし、株価上昇を後押しする要因も特にない。
- ゴールドはコロナ感染拡大が続く1-3月のどこかで一旦売却する。2021年後半にはアメリカの景気が強まるので、リスク回避色のあるゴールドの保有はプラスにならないと判断。
この記事では、まだ投資できるテーマを中心にお話していきます。
2021年まだ投資できるテーマ
2021年にまだ投資できると私が考えているテーマは次のものです。
まだ投資できるテーマ
- 世界の景気回復で、エネルギー需要の回復が見込める石油株(例:石油業界ETFのVDE、エクソンモービルなど)
- アメリカの金利引き上げまで株価上昇が期待できる銀行株(例:金融業界ETFのVFH、ウェルズファーゴなど)
- ドル安の流れに乗れる新興国株(例:新興国株ETFのVWOなど)
- 2021年後半から少しずつ需要回復が始まるホテル株と航空株(例:マリオット、ハイアット、サウスウエスト航空、デルタ航空など)
- その他、割安で放置されている業界の株(例:タバコ銘柄や軍需産業のLMTやNOCなど)
世界の景気回復と原油価格回復の恩恵を受ける石油株
1点目に上げた石油株は昨年2020年がボロボロだったこともあって、今年は一番利益が伸びやすい業界になると思います。すでに詳細は別の記事でも書きましたので、詳しくはこちらを御覧ください。
まだ間に合う、2021年に石油関連株に投資するアイディア
2020年はボロボロに打ちのめされた石油業界ですが、2021年はいくつか明るい予想が目立つようになってきました。低迷していた原油先物価格(WTI)も最近は復調していて、最近では一時1バレル=50.17ドルをつけ、コロナで世界の株価が急落した2020年2月以来の50ドル台に回復しています。
アメリカの長短金利差拡大で儲かる銀行
2点目の銀行株については、少し説明が必要かもしれません。(※なんか小難しいと思ったら飛ばして読んで問題ないです)
まず、これから景気が良くなれば、アメリカの長期金利と短期金利の差が大きくなっていくと私は考えています。
景気が良くなれば投資資金が国債から株などに移っていくので、国債が売られて長期金利は上昇しやすくなりますが、短期金利はFRBのゼロ金利政策に縛られて0%付近にとどまるので、しばらくは長短金利差が大きくなるはずです。
長期と短期の金利差が広がっていく中で利益が出やすくなるのが銀行です。銀行のビジネスは短期金利の低い利率で預金を集めて、長期金利の高い利率で貸し出してその差で儲けるので、長期金利と短期金利の差が広がれば利益が出やすくなります。
金融業界ETF(VFH)などであらゆる銀行に投資するのも良いですが、個別銘柄なら株価の回復が遅れているウェルズファーゴ(WFC)が狙い目だと思います。ウェルズファーゴは預金でお金を集めて貸し出すビジネス(商業銀行業務)が主なので、金利差拡大の恩恵を受けやすいと思います。
ただし、この投資は出口が重要です。アメリカの政策金利が引き上げられたら、長短金利差が縮まるので銀行株は売り時かも知れません。
ドル安の恩恵を受ける新興国株
3点目の新興国株についてですが、ドル安が進みやすい時代では新興国の株が好調になりやすい傾向があります。
ドルで投資している人がドル安が進む中で新興国に投資すれば、「新興国株の上昇」と「ドル安による為替の利益」の2重の恩恵を受けられるので、米国以外の株に資金が移りやすいです。
2020年からFRBもアメリカ政府もドルを大量に市場や経済にバラまいていることから、ドル安の動きができているので、2021年も引き続き新興国株に投資する旨味はあると思います。
コロナでダメージを受けた航空株やホテル株
航空業界とホテル業界はコロナの影響を大きく受けて売上が落ち込んでいますが、コロナを克服すればいよいよ業績回復が見えてきます。
以下の記事で確認しましたが、既にサウスウエスト航空、デルタ航空、ハイアットホテルズ、マリオットは既に資金繰りの問題を克服して、破綻の危機はほぼなくなりました。これらの企業なら投資できると思います。
倒産リスクを避けてコロナで低迷してる株を買うための方法。
この記事では、業界全体が大幅に業績が悪化して借金でやりくりしている航空業界とホテル業界を例に、「このままだと、各企業の現金があと何ヶ月でなくなるか」を2020年7-9月決算のデータを使って調べていきます。
さいごに
この記事では、私が考える2021年にまだ投資できるテーマとして、石油・銀行・新興国・航空・ホテルをあげていきました。また、特に上昇するきっかけになるような出来事はありませんが、いま割安なタバコ銘柄や軍需産業は長期的に投資できるテーマだと思います。
「今年の投資テーマなら、いま株価上昇が著しい電気自動車やクリーンエネルギー関連の銘柄は入ってこないの?」という疑問が湧くかも知れません。
できるだけ先入観をなくして、かなり真剣に投資できる対象かどうかを調べたのですが、利益を順調に利益を上げていて調子の良い企業はわずかにあったものの、そうした企業ですら(私の判断では)割高で買わなくて良いという結論になりました。
ただ、この記事で書いたものはあくまでも私の独断です。
私の見る目がないせいで魅力に気付けていない銘柄があったり、私はどんなに短くても数ヶ月から半年以上は保有することが多いので、短期で売買する投資家とは全く違った見え方をしていたりする点にはご注意ください。