今月は米国株の追加購入をしました。
2020年10月、米国株に追加投資しました。
2020年10月もいくつかの銘柄を追加購入しました。基本的には(1)2020年3月の新型コロナウイルスの悪影響を受けて今後回復が見込まれる業界や銘柄、(2)ハイテク企業でもそこまで割高に見えない銘柄を選んで購入しています。
正直言うと買い増しをして良かったのか、少し不安に感じている部分もあります。
2020年2月にはアメリカはリセッション(景気後退)入りして、既に2020年4-6月期の最悪な時期を乗り越えました。なので、シンプルに考えるなら、これからは景気が回復することを期待して、株を買って良いはずです。
しかし、一方で気になるのは既に米国株全体はやや割高にも見えることです。購入銘柄はできるだけ割高な銘柄を避けて投資しているつもりですが、市場が一度評価を下げ始めたら、それほど割高ではない銘柄と言えども下落とは無縁ではないはずです。
この記事のポイント
- 2020年景気が回復している局面では、株は有利に働くはずなので、株を買うのは王道の手段。
- しかし、既に米国株は割高な状態が続いている。株の長期リターンを概算すると、今株を買っても実質4.5%しか得られない。今は株を購入して良いタイミングはどうかは少し不安がある。
- 幸い低金利時代なので、割高でも株は売られるどころか買われている。低い長期金利が続いているうちは大丈夫そうだか、この環境に終わりがくると株の下落が起こるかも知れない。
景気の回復を始めたアメリカを信じるなら株は買い
2020年2月にアメリカはリセッション入りして急速な景気の悪化を経験しました。
過去のリセッションの時期を振り返ってみると、リセッション失業者の増加がピークをつけて下げ始めると、景気悪化の時期も終わりが近づき、その後何年も続く景気拡大の時期に入る傾向があります。
【景気後退期はいつ終わるか】株を安全に運用できる時期を知る方法
既にアメリカは景気後退期に入っていると思われるので、今後数ヶ月は株価が下げやすい展開が続くと思います。景気後退期が終わって、安全に投資できるようになるタイミングはいつ来るのか、時期を知りたい人も多いはずです。この記事では、景気後退の終了時期の見分け方の一例を紹介します。
2020年の失業者の数を、失業保険の申請数の動きから見てみると、4月に既にピークをつけていいます。
過去のリセッションと同じような動きになるなら、失業者数の増加はピークをつけているので既に今回のリセッションは終わりが近く、今後何年も緩やかな景気拡大期が起こり、その中で株価は上昇するはずです。
この通りになるなら、株を買うことはそれほど間違った選択肢ではないはずです。
すでにやや割高感がある米国株
しかし、問題なのは米国株全体が割高に見えることです。
割高かどうかを測る有名な方法に、PER(株価を一株利益で割った値)という数字を見る方法があります。この数字が高ければ割高と見るのですが、過去の数年に比べてPERはやたらと高い状態は続いています。
9月は米国株は不調で8月末よりは割高感は薄れたのですが、それでもまだPERが22もあり、過去5年や10年の平均と比べるとずいぶん割高です。
今の米国株の長期リターンは4.5%
米国株の研究で有名なジェレミー・シーゲル教授は、PERの逆数をとって長期的な株の実質リターンを計算する方法をよく使います。
この記事を書いている時点で最新のPERは22なので、この方法を使うと1/(PER:22.0) = 約4.5%と長期リターンを計算することができます。
この4.5%という数字ですが、結構低いです。
過去の10年間の平均PER15.5の場合、1/(PER:15.5) = 約6.5%の長期リターンになりますが、これなら投資する価値は十分ありますが、今の4.5%では株のリターンとしてはちょっと物足りない印象です。
幸い、10年米国債のリターンはインフレを考慮するとマイナス1%前後で、株よりもはるかにリターンが悪いので、「国債に比べたらまだマシな投資先に見える株」という位置づけを獲得して、株価は高値を維持できています。
しかし、コロナから景気が回復して低金利の時代が終わったら、いずれ株価は見直されて下落するのだと思います。
さいごに
今月買った株は、ホテル業界などのコロナでダメージを負った業界の回復を見込んで買った銘柄が多いです。
中央銀行FRBの発言を聞く限り、2023年まで政策金利(≒短期金利)を低く安定させるつもりのようなので、もしも長期金利も2023年まで低く抑えることに成功するなら、コロナで傷ついた業界でも復活できる十分な時間があると思います。
【FOMC】アメリカは低金利を維持。発表内容まとめと考えたこと。
アメリカの金融政策を決める会議(FOMC)が9月15-16日に行われました。FOMC後に公開される声明文や資料を見ると、アメリカ中央銀行の経済の専門家たちが「今の景気をどのようにみているか」、「どんな見通しを持っているのか」などの重要な意見も提供してくれているので、この記事で紹介をします。
しかし、長期金利は市場で価格が決まる要素が大きいので、FRBが長期金利をコントロールできない場合には、コロナからの復活の途中で株価が十分に回復していないくても、手放さないといけない展開になるかも知れません。