先月から久々に株を買い始めましたが、今月は株ではなくゴールドETFを買おうかと考えています。
もともと5月は個別株を買おうと思って、かなりの数の企業の決算発表を確認しました。そして、新型コロナの流行下でも業績が伸びている良さそうな銘柄も絞っていました。
>>【参考記事】S&P500の上昇が止まった理由。新型コロナでも業績が伸びた銘柄。
しかし、何か米国株が割高に見えて仕方ありません。単なる気の迷いかもしれませんが、今月は株の購入を1回見送ってゴールドにするつもりです。
この記事では、最近の米国株がやや割高に見える理由と、ゴールドはまだ上昇すると考えているのかについて書きます。
この記事のポイント
- どうにも直感的に株が高い気がしている。今月の投資先は株を避けて、少額のゴールドETFを検討している。
- 株が割高に見える理由は、「経済の低迷に対して株が割高」「企業利益予想に対して割高」の2つ。企業利益予想を見る限り、S&P500は10-15%ほど下落しても不思議ではない。
- ゴールドも7年ぶりの高値をつけているが、中央銀行FRBや米政府の景気刺激策を見ていると、ゴールドはまだまだ上昇しそう。
- また、景気や企業利益予想が底を打ったら、今月投資したゴールドETFを売って、株の購入に当てることも検討。
どうにも割高に見える米国株
直感的なことで大変申し訳無いのですが、どうにも株が割高な気がしてなりません。このまま下落することなく、しばらく上昇するのかもしれませんが、何か警戒をしてしまいます。
「どうにも株が割高」では何も伝わらないので、どうして株が割高だと感じるのか、思い当たる理由を考えると以下の2つが真っ先にあがります。
株がやや割高に見えている理由
- 経済が壊滅的にやられているのに、株はそこまで下げていない。
- 企業の利益予想に対して、株価がやや高い。
(1)壊滅的な経済
新型コロナウイルスが流行した米国では、経済が壊滅的にやられています。
- 米国では新型コロナウイルス流行後に既に3650万人が失業保険を申請し、失業率は14.7%にまで上昇。
- ゴールドマン・サックスは1930年代の大恐慌時に匹敵する失業率25%を予想。
- 米議会予算局は20年4-6月のGDP成長率はマイナス30-40%に達すると予想(金融危機2008年時は最大マイナス5%)。
- グッケンハイムのスコット・メイナード氏は2019年のGDPに回復するまでに、4年かかるという見方を示す。
これだけの経済の低迷を経験しているのに、米国株は最高値からマイナス15%ほどしか下げていません。もっと下げてもおかしくないはずなのになと感じています。
(2)企業利益予想で見ても割高
株価は将来の企業の利益も見込んで価格がつくので、4-6月に壊滅的に企業利益が低迷しても、その後ちゃんと企業の利益が回復するなら株価が最高値から15%しか下げてなくても問題はありません。
しかし、アナリストの今後1年間の企業利益予想を見ても、右肩下がりに下がっています。
S&P500の今後1年の企業利益予想は140台前半で、2017年時の水準まで下がっています。S&P500は現時点で2863ですが、2017年の2500前後まで10-15%株が下がってもおかしくないです。
金は7年ぶりの高値でもまだ上がる理由
「株がやや割高なのはわかったが、ゴールドも買われすぎていて割高なのでは?」という声もあるかと思います。
2020年初からゴールドの価格は上昇していて、7年ぶりの高値になっているので、価格だけ見るとたしかにそのとおりです。
価格変動 | ゴールド | S&P500 |
---|---|---|
1月 | +4.6% | -0.1% |
2月 | -0.7% | -8.6% |
3月 | 0.0% | -12.4% |
4月 | +6.9% | +12.8% |
5月(15日まで) | +3.7% | -1.7% |
年初来 | +14.1% | -12.1% |
ただ、ゴールドは「(1)低金利であればあるほど」、「(2)インフレ率が上昇すればするほど」価格が上昇する特徴があるのですが、今後どちらもこれから起こる可能性が高く、まだまだ価格は上昇すると思っています。
金利(10年国債利回り)がもしも上昇してしまうと、企業の投資や住宅の購入が更に減少して経済活動が鈍るので、今のFRBがこれを許すわけはありません。なので金利は下落や現状維持はあったとしても、上昇は考えにくいです。
また、今の米国は物価が減少してデフレ状態にありますが、今後さらに景気刺激策で国民に現金を給付する政策が続けば、次第にインフレ率が上昇に転じるはずです。
金利はしばらく上がらない、インフレは今後どこかで上昇に転じる可能性が高いとなると、ゴールドは今後も上昇トレンドが続く可能性が高そうです。
ただし、ゴールドは基本的には株よりも期待リターンが低い資産です。もしも、企業の利益予想は今後回復に転じて割高感が薄れてきたら、今回投資したゴールドETFを売却して米国株に振り向けても良いかもしれないと考えています。