コンテンツへスキップ

S&P500は大幅上昇、33年ぶりの月間17.8%増を記録した4月【20年4月振り返り】

  • by

4月が終わって数日たちましたが、1ヶ月を振り返りたいと思います。

「歴史的な勢いで急減速する経済」と「新型コロナの収束への期待&アメリカ政府の巨大な景気刺激策」の綱引きの結果、私は「歴史的な勢いで急減速する経済」の影響のほうが強いと判断して株が悪化すると見ていたのですが、結果は違ったようです。

ただし、この歴史的な勢いで急減速する経済によるダメージを受けている状態で、S&P500が最高値からわずか17%下がっただけの価格(現時点の価格)で落ち着くわけはないとも思います。

基本的にはこれから株の下落もあることに備えて、首を長くして残りの現金を確保しておきたいと思います。

4月の主な出来事と投資行動

  • 歴史的なペースで失業率が増えても、アメリカのGDP成長率がマイナス4.8%と大幅に落ち込んでも、4月の株価は急回復した。4月はS&P500が17.8%上昇し、33年ぶりの上昇率を記録した。
  • 株価の上昇の要因は(1)アメリカの景気刺激策、(2)アメリカでの新型コロナウイルスの新規感染者数のピークを過ぎたこと、(3)ウイルスに効果が見込める治療薬出てきたことの3つ。
  • 景気が底打ちして回復期に移行した後のアメリカでは、新型コロナウイルスの景気対策でバラまいたお金が消費に回って、景気が力強く回復する可能性が高い。

低迷が続く経済


4月のアメリカはとにかく経済がボロボロでした。

4月に報告された失業保険の申請数の合計は2000万件を超えて、このままでは3月に4.4%だったアメリカの失業率は4月にも15%を超えるのではないかと言われています。

また1-3月のアメリカのGDP成長率が発表になりましたが、マイナス4.8%とこちらも大幅に悪化しました。

株価が上昇した要因


これだけ景気が急速に悪化すれば株価もボロボロかと思いきや、急落した3月が嘘のように4月に株価は急回復を始めました。

2020年4月に大幅上昇を続けたSP500

株が急回復した理由は恐らく次の3点です。

4月に株価が上昇した主な理由

  • アメリカでの新型コロナウイルス新規感染者の増加数がピークをつけた。
  • 新型コロナウイルスの治療に、ギリアドサイエンシズのレムデシビルが効果があると報道があり、世の中が経済再開に向けて前向きになった。
  • アメリカの景気刺激策が効果を見せ始めた。

3月に急増したアメリカでの新型コロナウイルスの新規感染者数ですが、4月上旬にピークをつけたように見えます。

そして治療薬開発の報道も前向きに捉えられて、5月から徐々に経済活動が再開されるとの見方から株価は急回復しました。(いくつかの州では、業種を絞って5月1日から事業が再開されています)

これだけの上昇要因があるなら株が上昇するのはわかりますが、個人的には4月の株価上昇は強すぎで、どこかで反動があるのではと思っています。

1-3月期のアメリカのGDPがマイナス4.8%まで沈みましたが、アメリカが新規コロナウイルスで都市封鎖をしたのは3月の中旬以降です。たった半月でGDPがマイナス4.8%まで低迷したので、5月に多くの州で経済活動が再開したとしても、4-6月のGDP成長率は悲惨な数字になることは避けられないです。

この記事を書いている5月4日の段階では、S&P500は最高値からマイナス17%まで回復しましたが、17%分の下落に4-6月期の景気の低迷まで含まれているとは思えません。

また既に都市封鎖を全国的に解除した中国でもレストランは営業時間を短縮したり、座席を減らした状態での営業を続けているため経済活動は弱いままです。新型コロナウイルスのワクチンが開発されるまでは、かなり長い間景気は低迷すると思われます。

なので、今後は株が急落しても不思議ではないと思って、投資資金は全て株に投入せず、一部は現金や金で待機させています。

金余りが株式市場を押し上げる


ただし米国経済の将来は悲観的ではなく、ワクチンが量産されれば力強く回復すると思っています。そうなれば株価も力強く上昇しているはずです。

米国政府は大規模な景気刺激策を実行して国民にお金をバラまいている状態なので、アメリカ人の銀行口座には現金が積み上がっています。

2月末からアメリカの現金・預金(M1)の合計額は急増

以下の記事では、景気低迷期に現金が枯渇する人が多く現れた場合には、コロナウイルス対策の都市封鎖(ロックダウン)を解除してもすぐには景気が回復しないことを詳しく書きました。

しかし、今のところ米国の国民の現金が次々と枯渇しているという声は聞こえてこないです。

むしろ、現金は増えているのかもしれません。米国株の研究で有名なジェレミー・シーゲル教授によると、新型コロナウイルスでの米国政府の失業保障が手厚くが3分の2の州で、失業前の収入を上回る事態になっているようです。

なので、新薬(できればワクチン)が大量に供給できる体制が整い、景気が回復期に移行すれば、今後は積み上がった現金が消費にまわって力強い景気回復が起こると思います。

2020年4月末の資産状況

毎月1度振り返りの記事でまとめている資産状況を掲載して、この記事を終わりにしたいと思います。

2020年4月30日時点の資産額は287,667ドルで、3,082万円でした。資産額の287,667ドルは月末のドル換算としては過去最高でした。

2012年からの株価の推移

今月は多くの資産を購入しました。基本的にはまだ株の下落が起こると思っていますが、その読みが外れた場合に備えて、一部の現金で4月の前半に株を購入しています。

4月の購入銘柄

  • マイクロソフト
  • マクドナルド
  • ドミノ・ピザ
  • ネットフリックス
  • コストコ(ディスカウント・ストア)
  • ダラーゼネラル(ディスカウント・ストア)
  • アドビ(プロデザイナー向けソフト。90%がサブスク)
  • アンシス(工業用シミュレーション・ソフト。75%がサブスク)
  • ペイコム・ソフトウェア(人事・給与向けクラウド)

資産構成

保有銘柄

シンボル 数量 評価額($) 損益(%)
BTC 10.00 90190 2.1
USD 40680 0.0
IAU 2110 33992 10.2
NVO 512 32425 72.7
AMZN 7 17318 55.7
MSFT 47 8423 4.5
MCD 43 8065 59.8
NFLX 18 7557 -3.2
JNJ 47 7052 39.0
ADBE 15 5305 9.9
DPZ 14 5067 3.1
WMT 35 4254 18.3
DG 24 4207 0.8
COST 13 3939 -3.6
DIS 33 3569 8.6
PG 25 2947 43.5
PAYC 10 2610 32.5
KO 50 2295 14.9
MMM 14 2127 16.2
ANSS 8 2095 6.5
MA 4 1100 194.0
AXP 10 913 3.8
V 5 894 146.0
XOM 5 354 -10.4
WFC 10 291 -33.1

本ブログからのお願い

この記事は、読者が自由に記事の金額が決められるPay What You Want方式をとっています。

「役にたった」「面白かった」など、何かしら価値を感じた場合は、YUTA'S INVESTMENT TICKETをクリックして、価値に見合った金額をお支払い下さい。

価値がないと思った場合には、お支払いは不要です。同じ記事を読み返して、新しい気づきがあった場合には、1人で何回クリックしても問題ありません。