4月が終わって数日たちましたが、1ヶ月を振り返りたいと思います。
4月に株価が荒れると思う理由
連日のように、アメリカ経済は悲観的なニュースが流れているのですが、株価は上昇を続けています。経済にどれだけのダメージが及んだかもまだ判明していないのに、既に株価が底を打ったとは考えにくいので、4月1週目から発表が始まるアメリカの経済指標、4月15日から本格化する決算シーズンの結果を注意してみたいと思っています。そして、4月の株価は荒れる可能性が高いと思っています。
「歴史的な勢いで急減速する経済」と「新型コロナの収束への期待&アメリカ政府の巨大な景気刺激策」の綱引きの結果、私は「歴史的な勢いで急減速する経済」の影響のほうが強いと判断して株が悪化すると見ていたのですが、結果は違ったようです。
ただし、この歴史的な勢いで急減速する経済によるダメージを受けている状態で、S&P500が最高値からわずか17%下がっただけの価格(現時点の価格)で落ち着くわけはないとも思います。
基本的にはこれから株の下落もあることに備えて、首を長くして残りの現金を確保しておきたいと思います。
4月の主な出来事と投資行動
- 歴史的なペースで失業率が増えても、アメリカのGDP成長率がマイナス4.8%と大幅に落ち込んでも、4月の株価は急回復した。4月はS&P500が17.8%上昇し、33年ぶりの上昇率を記録した。
- 株価の上昇の要因は(1)アメリカの景気刺激策、(2)アメリカでの新型コロナウイルスの新規感染者数のピークを過ぎたこと、(3)ウイルスに効果が見込める治療薬出てきたことの3つ。
- 景気が底打ちして回復期に移行した後のアメリカでは、新型コロナウイルスの景気対策でバラまいたお金が消費に回って、景気が力強く回復する可能性が高い。
低迷が続く経済
4月のアメリカはとにかく経済がボロボロでした。
4月に報告された失業保険の申請数の合計は2000万件を超えて、このままでは3月に4.4%だったアメリカの失業率は4月にも15%を超えるのではないかと言われています。
また1-3月のアメリカのGDP成長率が発表になりましたが、マイナス4.8%とこちらも大幅に悪化しました。
株価が上昇した要因
これだけ景気が急速に悪化すれば株価もボロボロかと思いきや、急落した3月が嘘のように4月に株価は急回復を始めました。
株が急回復した理由は恐らく次の3点です。
4月に株価が上昇した主な理由
- アメリカでの新型コロナウイルス新規感染者の増加数がピークをつけた。
- 新型コロナウイルスの治療に、ギリアドサイエンシズのレムデシビルが効果があると報道があり、世の中が経済再開に向けて前向きになった。
- アメリカの景気刺激策が効果を見せ始めた。
3月に急増したアメリカでの新型コロナウイルスの新規感染者数ですが、4月上旬にピークをつけたように見えます。
そして治療薬開発の報道も前向きに捉えられて、5月から徐々に経済活動が再開されるとの見方から株価は急回復しました。(いくつかの州では、業種を絞って5月1日から事業が再開されています)
これだけの上昇要因があるなら株が上昇するのはわかりますが、個人的には4月の株価上昇は強すぎで、どこかで反動があるのではと思っています。
1-3月期のアメリカのGDPがマイナス4.8%まで沈みましたが、アメリカが新規コロナウイルスで都市封鎖をしたのは3月の中旬以降です。たった半月でGDPがマイナス4.8%まで低迷したので、5月に多くの州で経済活動が再開したとしても、4-6月のGDP成長率は悲惨な数字になることは避けられないです。
この記事を書いている5月4日の段階では、S&P500は最高値からマイナス17%まで回復しましたが、17%分の下落に4-6月期の景気の低迷まで含まれているとは思えません。
また既に都市封鎖を全国的に解除した中国でもレストランは営業時間を短縮したり、座席を減らした状態での営業を続けているため経済活動は弱いままです。新型コロナウイルスのワクチンが開発されるまでは、かなり長い間景気は低迷すると思われます。
中国、初のGDPマイナス成長。ウイルス収束後も鈍い景気回復。
中国の2020年1-3月期のGDPは、マイナス6.8%でした。米国株投資家なので中国の経済はそれほど注目しなくても良い気はしますが、新型コロナウイルスが収束したはずの3月の中国で、消費や投資が回復せずに大きく落ち込んでいる点は、注目に値すると思います
なので、今後は株が急落しても不思議ではないと思って、投資資金は全て株に投入せず、一部は現金や金で待機させています。
金余りが株式市場を押し上げる
ただし米国経済の将来は悲観的ではなく、ワクチンが量産されれば力強く回復すると思っています。そうなれば株価も力強く上昇しているはずです。
米国政府は大規模な景気刺激策を実行して国民にお金をバラまいている状態なので、アメリカ人の銀行口座には現金が積み上がっています。
以下の記事では、景気低迷期に現金が枯渇する人が多く現れた場合には、コロナウイルス対策の都市封鎖(ロックダウン)を解除してもすぐには景気が回復しないことを詳しく書きました。
都市封鎖を解除しても景気低迷が続く理由。
アメリカでは、新型コロナウイルスの対策で発令した外出制限を解除するための議論が進んでいるようです。しかし外出制限が解除されても、しばらく景気の低迷は続くと見る専門家も多いです。この記事では「なぜ経済活動を再開しても、景気の低迷が長期化する恐れがあるのか」について考えます。
しかし、今のところ米国の国民の現金が次々と枯渇しているという声は聞こえてこないです。
むしろ、現金は増えているのかもしれません。米国株の研究で有名なジェレミー・シーゲル教授によると、新型コロナウイルスでの米国政府の失業保障が手厚くが3分の2の州で、失業前の収入を上回る事態になっているようです。
なので、新薬(できればワクチン)が大量に供給できる体制が整い、景気が回復期に移行すれば、今後は積み上がった現金が消費にまわって力強い景気回復が起こると思います。
2020年4月末の資産状況
毎月1度振り返りの記事でまとめている資産状況を掲載して、この記事を終わりにしたいと思います。
2020年4月30日時点の資産額は287,667ドルで、3,082万円でした。資産額の287,667ドルは月末のドル換算としては過去最高でした。
2012年からの株価の推移
今月は多くの資産を購入しました。基本的にはまだ株の下落が起こると思っていますが、その読みが外れた場合に備えて、一部の現金で4月の前半に株を購入しています。
4月の購入銘柄
- マイクロソフト
- マクドナルド
- ドミノ・ピザ
- ネットフリックス
- コストコ(ディスカウント・ストア)
- ダラーゼネラル(ディスカウント・ストア)
- アドビ(プロデザイナー向けソフト。90%がサブスク)
- アンシス(工業用シミュレーション・ソフト。75%がサブスク)
- ペイコム・ソフトウェア(人事・給与向けクラウド)
資産構成
保有銘柄
シンボル | 数量 | 評価額($) | 損益(%) |
---|---|---|---|
BTC | 10.00 | 90190 | 2.1 |
USD | – | 40680 | 0.0 |
IAU | 2110 | 33992 | 10.2 |
NVO | 512 | 32425 | 72.7 |
AMZN | 7 | 17318 | 55.7 |
MSFT | 47 | 8423 | 4.5 |
MCD | 43 | 8065 | 59.8 |
NFLX | 18 | 7557 | -3.2 |
JNJ | 47 | 7052 | 39.0 |
ADBE | 15 | 5305 | 9.9 |
DPZ | 14 | 5067 | 3.1 |
WMT | 35 | 4254 | 18.3 |
DG | 24 | 4207 | 0.8 |
COST | 13 | 3939 | -3.6 |
DIS | 33 | 3569 | 8.6 |
PG | 25 | 2947 | 43.5 |
PAYC | 10 | 2610 | 32.5 |
KO | 50 | 2295 | 14.9 |
MMM | 14 | 2127 | 16.2 |
ANSS | 8 | 2095 | 6.5 |
MA | 4 | 1100 | 194.0 |
AXP | 10 | 913 | 3.8 |
V | 5 | 894 | 146.0 |
XOM | 5 | 354 | -10.4 |
WFC | 10 | 291 | -33.1 |