市場が落ち着きを取り戻しているように思います。
「毎日、こんなに株が下落しているのに何を言っているんだ」と思うかも知れませんが、市場をよく見ると、あらゆる株が売られていた状況が変わりつつあります。
新型コロナウイルスや原油安の影響を受けにくい株は買われ、影響を受ける企業は売られるという銘柄の選別ができるようになって、市場は落ち着きを取り戻しています。
再び市場がパニックになれば、あらゆる株が売られるようになる恐れはありますが、新型コロナウイルスの状況を追い風にできるアマゾンやネットフリックスのような限られた企業であれば、ためしに少額だけ早めに購入しても良い気がしています。
この記事のポイント
- 新型コロナウイルスで恩恵を受ける企業の株は3月16日を堺に上昇し始めた。
- アメリカでの新型コロナウイルスと企業の資金繰りの混乱は収まらず事前に決めていた株の購入タイミングはまだ来ていないが、新型コロナウイルスで恩恵を受ける企業なら、少額だけ早めに購入しても良いかも知れない。
- ただし、今後のアメリカの景気後退も考えて、本格的な株価再開はまだしない。今回は実験的に少額だけアマゾンに投資を検討。
- アマゾンを選ぶ理由は、主力のネット通販ビジネスで需要が高まっているため、ネット通販以外のクラウドやアマゾンプライム会員なども新型コロナウイルスの影響を受けにくい。
以前から、(1)アメリカでの新型コロナウイルスの感染者数の増加がピークをすぎ、(2)社債売られすぎ(社債スプレッドの上昇)が止まったら、株の購入を再開すると言ってきました。
これらの条件はまだ2つともクリアできていません。なので、これから本格的な下落がまだ来ることも考えて、購入金額はかなり少額にとどめて様子をみようかと思っています。
また、3月26日(木)に発表される新規失業保険申請数の数をみて、アメリカの失業者の増加がひどい状況だったら購入は延期する予定です。
下げる株と上げる株で違いがはっきり出始めた株式市場
このブログでは、まだ新型コロナウイルスの感染者数がアメリカで拡大していない2月末の時点から、「新型肺炎の影響を受けにくい企業とその探し方」を議論してきました。
それから約1ヶ月の間、市場が下落を続ける中でも、これらの企業が市場平均のS&P500よりも、下落しにくいことを確認しています。
>>【再点検】新型コロナウイルスの影響を受けにくい企業、その後の姿。
さて、ここでもう一つだけ傾向を見ていきたいのですが、新型コロナウイルスの影響を受けにくい企業の代表として、アマゾン、ネットフリックス、ロク*の3社の株価を見てみると、3月16日頃から上昇に転じ始めています。
(*注:ロクは聞き覚えが無いかも知れませんが、動画配信サービスとそのためのデバイスを販売している企業です。)
今まで市場のあらゆる株が売られていた状況だったのですが、3月16日以降は新型コロナウイルスの影響を受けにくい企業を選別する落ち着きが、市場に戻ってきたようです。
新型コロナウイルスはまだアメリカでピークを過ぎていないですが、もしも市場がパニックにならずにアマゾンなどの株を「買い」と判断できる落ち着きがあるなら、少量だけ買ってもいいかと考え始めています。
アマゾンを買う理由
世の中には新型コロナウイルスの影響を受けて営業がストップしている企業が多いですが、先に上げたアマゾン、ネットフリックス、ロク等はウイルスの影響を追い風にできる数少ない企業です。
例えば、アマゾンは売上の7割を占めるネット通販(オンラインストアとマーケットプレイス)が新型コロナウイルスで売上を伸ばすことが予想されています。
新型コロナウイルスが先に流行した中国ではネット通販の売上が急増したと日経新聞は伝えていて、アマゾンもこの恩恵を受けられる可能性があります。
また、世界中で自宅待機を強いられている時に、ネットフリックスやロクなどの動画配信サービスは家で楽しめる数少ない娯楽です。こうした動画配信サービスもウイルスの影響を追い風にできるはずです。
ネットフリックスやロクを購入銘柄にしても良いのですが、ネット通販も動画サービス(アマゾンプライム・ビデオ)も両方手掛けているアマゾンを購入候補にしようと思っています。
購入タイミングは3月26日以降
アマゾン株を購入するなら、タイミングは3月26日(木)以降です。
この日はアメリカの新規失業保険の申請数が発表される予定で、アメリカの失業者が急増している様子が明らかになるはずです。この結果でアマゾン株がどう動くかを見てから、購入するかを決めたいと思います。
アメリカの新規失業保険申請数をおさらいしておくと、前週の数字は28.1万人でした。28.1万人でも前の週に比べると増加傾向にありました。
そして、3月26日に予想されている新規失業保険申請数では100万人が予想されています。28万人から100万人へ、文字通りの桁違いの失業者の増加が見込まれています。
アメリカ新規失業保険申請数(3/15-21)
- 予想:100万件
- 前回:28.1万件
過去50年間のデータをさかのぼっても、1週間の失業保険申請数が100万件を超えたことはないのですが、次の発表で大台を突破するかも知れません。
市場の予想よりも失業者がずっと少なければ問題ありません。予想より多かったとしても、3月16日以前のような全面的な売りにならずに、市場が落ち着いていれば、アマゾン株を買おうかなと思います。
追加投資は金額は少額
今回、アマゾン株を買うとしても、かなり少額にとどめるつもりです。
以前から、(1)アメリカでの新型コロナウイルスの感染者数の増加がピークをすぎて、(2)社債の強い売りが止まったら、株の購入を再開すると言ってきました。
この2つの条件は2つともクリアしていないので、本格的な株の購入再開はまだしないつもりです。
しかし、もしも市場が落ち着いて銘柄を見極めることができるようになったのなら、新型コロナウイルスがまだピークをつける前だったとしても、アマゾンのような恩恵を受けられる企業を対象に、ためしに少額だけ買って様子を見てみようと考えました。
「市場が落ち着いて銘柄を見極めることができるか」については、失業率が発表される4月1週目の雇用統計を待っても良いのですが、3月26日にも週間の失業者数がわかるデータが発表されるので、まずはそこで判断しようと思います。