昨日の記事で、アメリカの10年米国債利回り(長期金利)は既にウクライナ情勢の前の状態に戻ったという話をしました。
そればかりか、ロシアが侵攻する前よりも10年国債利回りが上昇しているところを見ると、長期金利上昇のトレンドが戻ってきたような印象すらあります。
この記事のポイント
- 2022年の長期金利上昇のトレンドは続いており、ウクライナ情勢が混乱する前よりも高い状態になっている。
- もしもアメリカの長期金利が2.3%から2.4%を大きく超えると、40年続いた低金利化の流れに終わりが来るかも知れない。
- 低金利化のトレンドが終われば、米国株と米国債への投資は困難な時代になる。
上昇が続く2022年の米国債利回り
最近はアメリカの10年国債が売られる動きが止まらず、利回りがドンドン上昇しています。
この記事を書いている時点で2.13%まで上昇しています。
この2.1%という値はかなり面白い値に近づいてきています。
このブログでは2022年に2.3%から2.4%程度までは上がるかも知れないと言ってきましたが、そろそろこのあたりが視界に入ってきました。
長期的な目線に立つと、アメリカの10年国債利回りは1980年代からずっと下がり続けています。
上の図のように線を引いてみると、10年国債利回りは白い線で毎回のように打ち返されているのですか、2022年の白い線はだいたい2.4%の付近にあります。
メインシナリオとしては、私は2.3%から2.4%のどこかで10年国債利回りの上昇が止まって、反転して低下に向かい出すと思っています。
このときに米国株が景気後退前の株価上昇が見られるなら、株を売って米国債やゴールドなどに資産をシフトさせると投資で比較的安定したリターンが得られるはずです。
もしも長期金利が上昇し続けた場合
メインシナリオでは考えていませんが、ひょっとすると10年国債利回りは2.3%から2.4%を大きく超えて、40年続いた長期トレンドの終わりが来るかも知れません。
こうなるとアメリカへの投資はかなり厄介なことになると思います。
過去40年続いた株に優しい低金利化の時代が終わってしまうと、次の10年は大きくリセットがかけられることになります。
具体的には次のようなことが起こるはずです。
- 米国債は下落(長期金利の上昇)
- 長期金利の上昇を受けて、(成長株や割高な株ほど)米国株が低迷
しかし、国債が売られて長期金利が上昇する場合には、あらゆる資産にとってマイナスのダメージになるので、この時代に良い投資先を見つけるのは困難です。
インフレが十分に上がってくれれば、ゴールドやコモディティはこの時代の投資対象になるかも知れません。また、ドルが下落するようなら新興国(インドや東南アジア)の株が有力な投資先になるかも知れません。
いずれにしても40年間続いたアメリカの低金利の時代が終わってしまった場合の投資先としてゴールド、コモディティ、新興国などを列挙しているあたり、アメリカの株や国債への投資はなかなか難しい時代になると思います。